(英エコノミスト誌 2013年3月2日号) ベッペ・グリッロ氏とシルビオ・ベルルスコーニ氏がイタリアとユーロの未来を脅かしている。 注目の総選挙で勝ったのはシルビオ・ベルルスコーニ氏(上)とベッペ・グリッロ氏(下)という2人の“道化”だった〔AFPBB News〕 逆境の時にはユーモアのセンスが魅力となることもあるが、いつも役に立つわけではない。 イタリア国民は、1930年以降で国内最悪の景気後退と欧州単一通貨の内部崩壊という可能性に直面し、現実から目を背けることにした。 先日の総選挙では、有権者の4分の1が投票所へ行こうとさえしなかった。この投票率は戦後最低だ。 投票に行った人のうち、ほぼ30%がシルビオ・ベルルスコーニ氏を支持した。道化じみた首相として破滅的な政策を実行し、イタリアを経済的苦境に陥れた張本人だというのにだ。 さらに25%は、こちらは正真正銘のコメディアン、ベッペ・グリッ