先月、『ドイツリスク 「夢見る政治」が引き起こす混乱』(光文社新書)を上梓した。ドイツにおける、エネルギー転換(脱原発と再生可能エネルギー導入)、ユーロ危機、ロシア・中国への接近、歴史認識問題などについての現状報告の本だが、これらの問題に通底するドイツの「危うさ」を「夢見る人」としてのドイツ人の特質に求め、日本に根強い「ドイツ見習え論」に警鐘を鳴らす、という趣旨の本である。 キーワードの「夢見る人」とは、拙著で次のように定義した。「自分の抱いている先入観や尺度を対象に読み込み、目的や夢を先行させ、さらには自然や非合理的なものに過度の憧憬を抱くドイツ的思惟の一つのあり方」(p.11)と。これはロマン主義的傾向としてドイツ文化論などではつとに指摘されてきた、ドイツ人の国民性である。 私はベルリン特派員時代に、福島第1原発事故をきっかけにしたドイツ脱原発方針の決定、ユーロ危機を通じたドイツや欧州
米軍主導のISIS(自称イスラム国、別名ISIL)を標的にした空爆は、これまでに約2万人の戦闘員を殺害している――USAトゥデーが13日、匿名の米国防総省当局者2人の証言をもとにそう報じた。 問題は、2万人殺しても、2014年8月の空爆開始以来ISIS戦闘員の数が減っていないこと。同紙によれば、イラクとシリアには絶えず新兵が流入しており、ISISは2万~3万人の規模を保っているという。 オバマ政権はこれまで40億ドルの費用を投じて7300回近い空爆を続けてきた。シリアでは、アサド独裁政権やISISと戦う穏健な反体制派の軍事支援も行ってきた。それでも戦況は変わらず、ISISの支配地域も一向に狭まっていないようだ。 反体制派で訓練できたのは80人足らず 失敗だったのは空爆だけでなく、反体制派への軍事支援も同様だ。穏健派のシリア反体制派を訓練し、武器を提供するという5億ドルをかけた計画だったが、
「早読み 深読み 朝鮮半島」が150回を超えた。偶然にも連載開始と軌を一にして、日本人の「韓国嫌い」が激しくなった。坂巻正伸・日経ビジネス副編集長と深読みした。 なぜ、こんなに居丈高に? 坂巻:前々回の「『ヒトラーと心中した日本』になる韓国」で、連載150回を記録しました。初回は2012年1月12日掲載ですから、3年9カ月も続いていることになります。 鈴置:韓国外交を主要テーマに書いてきましたが、そんな特殊な話を飽きもせずに読んでくれる読者がいることは、驚きです。 坂巻:毎回、非常にたくさんの皆さんにお読みいただき、たくさんのコメントをいただき、感謝しています。 新たな読者も増えています。日韓関係にさほど関心を持っていなかった人や「隣の国だから仲良くした方がいい」と考えていた人が「なぜ韓国はこれほど居丈高になったのか」と首を傾げるようになりました。 この「早読み 深読み 朝鮮半島」は、そん
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