日本との歴史をめぐる“犠牲者”であるはずの元慰安婦を長年にわたって利用し“食い物”にしてきた疑惑に、いま韓国社会は激怒している――。 韓国の元慰安婦支援団体「日本軍性奴隷制問題解決のための正義記憶連帯」(正義連、旧挺対協)と、その前理事長の尹美香(ユン・ミヒャン)氏(55)をめぐる、募金・寄付金の不正流用などカネがらみの疑惑。連日メディアの批判にさらされ、韓国検察も捜査に動くなど、尹氏らは窮地に立たされているのだ。 それでも、現地で取材していると、神聖化されている「慰安婦問題」に大きな影響はないように思える。現地事情を解説していきたい。 絶体絶命の尹氏と正義連 「集会へ参加した学生が出した募金はどこに使われるか分からない」 「30年間、だまされるだけだまされ、利用されるだけ利用されてきた」 一連の疑惑は、元慰安婦の李容洙(イ・ヨンス)さん(91)が5月7日の記者会見で、このように尹氏を批判