日本の国立大学の財政は、国から支給される運営費交付金と、学生からの授業料など自己収入、そして競争的資金でまかなわれている。運営費交付金は、国立大学が法人化されてから10年、一貫して毎年1%ずつ削減されてきた。その影響で、大学では定年教授の後任不補充、若手を中心に任期つきポストへの転換などが続いている。 大学政策策定には、有識者会議という集まりが大きな発言力を持っているようだ。そこでは「日本には大学が多すぎる」「大学の経営努力が足りない」などという意見が非常に強く表明され、「さらなる大学改革を」という掛け声一辺倒である。内閣府の文書には「大学の運営から大学の経営へ」という言葉も出てくる。