大リーグが薬物使用問題で世間を騒がせている昨今。アメリカでは一本のドキュメンタリー映画が登場した。それはステロイドを題材にした『ビガー、ストロンガー、ファースター』(原題)だ。クリス監督は元重量挙げ選手。3兄弟の次男として育ち、ほかの兄弟も学生時代はスポーツ選手として活躍してきた。そんな彼が、ほかの兄弟たちの使用するステロイドについて大きな疑問を抱いたのが本作製作の始まりだった。 Q: 過去の映像が散りばめられた素晴らしい構成になっていますが、どうやってそれらを集めたのでしょうか? (クリス・ベル)ストーリーを構成する上で使われたアーカイブ映像は、子どものころの思い出からきているんだ。プロレスラーのハルク・ホーガンが自分のシャッツを破るシーンは、自宅にあった100本のビデオテープの中から探し出したもので、ほかにも友人から取り寄せたものもあったね。プロレス団体のWWEから直接許可を取ろうとし