今回ご紹介する津田正太郎『ネットはなぜいつも揉めているのか』(ちくまプリマー新書)、思わず「確かになあ」と手に取ってしまうタイトルだ。 ネット、としながらも本書が対象としているのはSNS、それも主にツイッター/X。常に誰かがどこかで怒りを発出し、その怒りがさらなる共感的怒りや反発としての怒りを生み出し、「揉めている」昨今、このタイトルにピンとくる人は多いのではないだろうか。 あまりにも揉め事が多すぎて、日ごろ「かなり頻繁にツイッターを覗いている」というヘビーユーザーでもすべての「揉め事・炎上案件」を負いきれなくなってきているのが現状。炎上騒ぎに気付いても、火元がどこなのかを辿ることさえ苦労する。 本書の著者・津田氏はメディアコミュニケーションの研究者。自身が大炎上した「表現の自由」にまつわる案件を入り口に、SNS上で起きる様々な現象――炎上、分断、被害者ポジション取り争い、メディア批判など
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