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ブックマーク / itlaw.hatenablog.com (11)

  • ベンダが提供していない決済モジュールの不具合による情報漏洩事故 東京地判令2.10.13(平28ワ10775) - IT・システム判例メモ

    ECサイトにおけるクレジットカード情報漏洩事故が、決済代行業者から提供されたモジュールの不具合があったという場合において、開発ベンダの責任がモジュールの仕様・不具合の確認まで及ぶか否かが問われた事例。 事案の概要 Xが運営するECサイト(件サイト)において、顧客のクレジットカード情報が漏洩した可能性があるとの指摘を受けて、Xは、件サイトにおけるクレジットカード決済機能を停止した(件情報漏洩)。その後、Xはフォレンジック調査を依頼し、不正アクセスによってクレジットカード会員情報が漏洩したこと、クレジットカード情報はサーバ内のログに暗号化されて含まれていたが、復号することが可能だったこと、漏えいした情報は最大で約6500件だったこと等が明らかとなった。 Xは、件サイトを、Yとの間で締結した請負契約(件請負契約)に基づいて開発したものであって、件サイトの保守管理についても件保守管理

    ベンダが提供していない決済モジュールの不具合による情報漏洩事故 東京地判令2.10.13(平28ワ10775) - IT・システム判例メモ
  • ゲームキャラクターの類似性とインラインリンク 東京地判令4.4.22(平31ワ8969) - IT・システム判例メモ

    ゲームのキャラクター画像の類似性と、インラインリンクにおける著作権侵害の行為主体が問題となった事例。 事案の概要 中国ゲーム会社Xは、Aというオンラインゲーム(Xゲーム)を日国内で配信していた。香港のゲーム会社Yは、Bというオンラインゲーム(Yゲーム)を配信していた。 Xは、 Yゲームにおけるキャラクターの画像(Y画像)を含むオンラインゲームを配信した行為が、Xの著作権(複製権又は翻案権)を侵害する Yのフェイスブックページにインラインリンクを貼った行為により、Xの画像に係る著作権を侵害する として、差止及び損害賠償請求をした。 1と2の請求の内容は異なる。 1は、いわゆる類似するキャラクターが使われたという、一般的な著作権侵害訴訟によくある話で、争点としては複数のキャラクター画像の類似性が問題となった。 2は、Yが、第三者(D)が制作したYゲームの動画をインラインリンクの形式で埋め込

    ゲームキャラクターの類似性とインラインリンク 東京地判令4.4.22(平31ワ8969) - IT・システム判例メモ
    timetrain
    timetrain 2023/11/03
    間違いなく発想は影響を受けていてネットユーザとしては類似はしているが、そのままとも言い難い。類似とする範囲は狭いんだな
  • SES契約における期間途中の撤収の責任 東京地判令3.12.20(令2ワ20021) - IT・システム判例メモ

    顧客からのクレームに納得できず、SES契約の期間途中に(ほかの案件も含めて)要員を撤収させたこと適否が問題となった事例。 事案の概要 X社は、下記の図のとおり、A社、B社、C社からそれぞれシステム開発に関する業務を受託し、それぞれの案件に対応する要員a、b、cを、Y社から調達し、その業務を担当させていた。1カ月当たりの単価を定め、比較的短期間(1カ月から3カ月)の契約期間が定められ、必要に応じて延長、更新が行われていたので、いわゆるSES契約といえる形態だったといえる。 このうち、A社にアサインされたaに関し、A社からパフォーマンスが低いとのクレームを受けたXは、2020年5月8日、Yに対し、A社は契約途中の5月22日を以て解除を希望していることなどを伝えた。 クレームの内容が、「GitRailsのコマンドがわからないレベルだ」などというものであったが、Yは「現場レベルでの作法の話だろう

    SES契約における期間途中の撤収の責任 東京地判令3.12.20(令2ワ20021) - IT・システム判例メモ
    timetrain
    timetrain 2022/08/13
    そりゃ怒るのもわかるというか
  • ビジネスソフトウェアの表示画面に関する著作権侵害(控訴審)知財高判令4.3.23(令3ネ10083) - IT・システム判例メモ

    書店向け業務ソフトの表示画面に関する著作権侵害の成否が争われた事案の控訴審判決。 事案の概要 件は、当ブログでも紹介した東京地判令3.9.17の控訴審なので、事案の概要等はリンク先にて確認していただきたい。原審は、原告、被告のそれぞれの表示画面に共通部分を見出しつつも、その共通部分には質的特徴を直接感得できるものではない、として、すべての画面について複製・翻案権侵害を否定した。 itlaw.hatenablog.com これに対し、Xが控訴し、著作権侵害、不正競争(2条1項1号)のほか、新たに顧客奪取行為が不法行為に該当するという主張も追加した(ただし、退けられているので、ここでは取り扱わない。)。 ここで取り上げる争点 ビジネスソフトウェアの画面における創作性の判断方法について。 Xは、控訴審にて、原審の判断手法が下記のように誤りであると主張していた。 ア ビジネスソフトウェアのディ

    ビジネスソフトウェアの表示画面に関する著作権侵害(控訴審)知財高判令4.3.23(令3ネ10083) - IT・システム判例メモ
    timetrain
    timetrain 2022/08/13
    結局結論は変わらずか。残念。
  • ビジネスソフトウェアの表示画面に関する著作権侵害の成否 東京地判令3.9.17(平30ワ28215) - IT・システム判例メモ

    書店向け業務ソフトの表示画面に関する著作権侵害の成否が争われた事案。 事案の概要 Xは,売上分析,在庫管理,商品の発注・仕入れ・返品管理,ロケーション管理,棚卸等の様々な書店業務を効率的に行うための書店業務管理を行うASPシステム(Y製品)を提供していた。 Yも,同様に書店業務管理を行う業務システム(Y製品)を提供していた(Yの代表者Aは,Xの元取締役であり,退任後,Yを設立している。)。 Xは,Yに対し,Y製品の表示画面は,X製品の表示画面を複製又は翻案したものであるとして,著作権法112条に基づく販売等の差止めと,民法709条に基づく約4200万円の損害賠償等を求めた。なお,Xは,X製品の表示画面が商品等表示に該当するとして不正競争防止法に基づく請求も行っているが,ブログではその点は割愛する。 ここで取り上げる争点 (1)表示画面の複製又は翻案該当性 (2)編集著作物としての著作権侵

    ビジネスソフトウェアの表示画面に関する著作権侵害の成否 東京地判令3.9.17(平30ワ28215) - IT・システム判例メモ
    timetrain
    timetrain 2022/01/25
    関係者同士の対立となると、もし争点がソースコードだったらどうなってたことやら。
  • 放置系RPGの著作権侵害 知財高判令3.9.29(令3ネ10028) - IT・システム判例メモ

    スマートフォン用RPGゲームの著作権侵害が争われた事例。 事案の概要 放置系RPG*1と呼ばれるジャンルのA(Xゲーム*2)に係る著作権を共有するXが,同じジャンルのB(Yゲーム*3)を配信するYに対し,著作権(複製権,翻案権,公衆送信権)を侵害するとして,著作権法114条2項に基づく損害賠償4800万円,弁護士費用960万円等と,同法112条1項及び2項に基づいて差止めと記憶媒体からの削除を求めた。 原審(東京地(47部)判令3.2.18(平30ワ28994号))では,著作権の帰属から争われていたが,XがXゲームの共有持分権を有することは認めつつも,YゲームはXゲームの構成,機能,画面配置等及びこれらの組合せを複製又は翻案したものであるとはいえず,Yゲームに係るソースコードはXゲームに係るソースコードを複製又は翻案したものであるともいえないとして,Xの請求をいずれも棄却した。 Xは,損

    放置系RPGの著作権侵害 知財高判令3.9.29(令3ネ10028) - IT・システム判例メモ
  • インスタグラム・ストーリー投稿のスクショ・転載 東京地判令2.9.24(令元ワ31972) - IT・システム判例メモ

    インスタグラム・ストーリーに投稿された動画のスクショが転載されたことについて肖像権侵害の成否が問題となった事例。 事案の概要 撮影者XAが被撮影者XBの動画(件動画)を撮影し,XAが件動画をインスタグラムのストーリーにアップした。 何者かが件動画の一部のスクリーンショット(件画像)を保存し,サイトAに件画像を添付して投稿(件投稿)をした。 XBが,件投稿にかかるIPアドレスの開示を受けた。そこで,XらはXAの著作権及びXBの肖像権及び名誉権が侵害されたとして,Yに対し,プロバイダ責任制限法4条1項に基づいて発信者情報の開示を求めた。 ここで取り上げる争点 件投稿により件動画の著作権が侵害されたことにはほぼ争いがないので,肖像権侵害(件投稿によって原告Bの肖像権が侵害されたことが明らかといえるか。)を取り上げる。特にもともとインターネット上に投稿されていた動画であることか

    インスタグラム・ストーリー投稿のスクショ・転載 東京地判令2.9.24(令元ワ31972) - IT・システム判例メモ
  • 取締役退任後の引継義務履行としてのパスワード開示請求 大阪高判平31.3.27(平30ネ1767) - IT・システム判例メモ

    在職中に業務に関するインスタグラムのアカウントを担当していた取締役に対し,パスワードの開示等を求めた事案。 事案の概要 Yは,X社の代表取締役として,個人のgmailアドレスを用いてインスタグラムのアカウント(件アカウント)を作成し,Xが販売していた商品の写真等を投稿していた。Yは他にも,元ラグビー日本代表選手であったことから,件アカウントには仲間のラグビー選手の写真なども投稿されていた。なお,件アカウント名の一部には,Xのブランド名が含まれていた。また,アカウントのホーム画面にはXのウェブサイトのリンクが設置されていた。 Yは平成29年5月1日にXの代表取締役を退任し,取締役も辞任した。その後,Xは,件アカウントにログインできないことから,商品の写真を投稿することができず,利用者が減少して営業上の損害を被ったとして,Yに対し,取締役辞任に伴う引継義務(民法645条,会社法330条

    取締役退任後の引継義務履行としてのパスワード開示請求 大阪高判平31.3.27(平30ネ1767) - IT・システム判例メモ
    timetrain
    timetrain 2020/09/25
    フォロワーをかき集めたアカウントの資産価値が会社評価上無視できないってこともあるのかな。確保できないと広告力が低下して業績に影響するレベルで
  • HTMLの著作権侵害 知財高判平29.3.14(平28ネ10102) - IT・システム判例メモ

    HTMLの著作物権侵害が問題となった事例。 事案の概要 YはXに対し,Yの運営する通販サイトの開発を委託し,Xが通販サイトを構成するプログラムの仕様を許諾していたところ,当該使用許諾契約が終了した後もYは通販サイトを機能させるためのプログラム(件プログラム)を違法に複製し,著作権を侵害したとして,不法行為に基づいて損害賠償を請求した事案。 原審(東京地判平28.9.29(平27ワ5619))は,件プログラムに含まれるHTMLHTML)について,Xの従業員が創作的表現を作成したと認めるに足りないとしてXの請求を棄却した。 ここで取り上げる争点 件プログラムの著作物性 ※なお,Xは,通販サイトを構成するプログラム全体を件プログラムと主張していたが,実際にプログラムを対比して侵害を主張していたのは「新規会員登録」,「登録申請時確認テスト」といった画面のHTMLHTML)部分に

    HTMLの著作権侵害 知財高判平29.3.14(平28ネ10102) - IT・システム判例メモ
  • (仕掛中)【争点・分野別】(システム紛争以外の)インデックス(仕掛中) - IT・システム判例メモ

    システム開発・運用関連裁判例以外の当ブログ収録裁判例について,論点・分野別のインデックスをまとめておきます(同一の裁判例が複数個所に記載されていることもあります)。 非常に乱暴に要約しているので,詳細はリンク先または判決文の原文でご確認ください。 特許 ■知財高判平22.3.24(インターネットサービス発明の侵害主体) 構成要件の一部においてクライアント端末の処理・構成について書かれている場合であっても,クレーム全体の解釈からサービス提供者が実施主体だとされた事例。 ■知財高判平24.12.5(省エネ行動シートの発明該当性) 省エネ行動の効果を視覚的に把握することを容易にするための「省エネ行動シート」はもっぱら人間の精神活動によって把握することにするものであって,自然法則を利用したものではないとして発明該当性を否定した事例。 ■知財高判平23.11.30(車載ナビシステムとEZ助手席ナビ)

    (仕掛中)【争点・分野別】(システム紛争以外の)インデックス(仕掛中) - IT・システム判例メモ
  • SNS野球ゲームの著作権侵害 東京地判平25.11.29(平23ワ29184号) - IT・システム判例メモ

    「プロ野球ドリームナイン」をGREE上で提供していたXが,Mobage上で「大熱狂!!プロ野球カード」を配信するYに対し,著作権侵害等を理由に損害賠償請求,差止請求した事件。 事案の概要 Xは,平成23年3月以降,GREEにおいて,「プロ野球ドリームナイン」というゲーム(Xゲーム)の配信を行っていた。同じく,Yは平成23年8月頃から,Mobage上で,同じくプロ野球ゲーム(Yゲーム)を配信していた。 Xゲームは,プロ野球カードゲーム形式のSNSゲームで,選手カードをガチャ等の方法で入手し,独自のプロ野球チームを作成,編成していくものであった。NPBから承認を受けて,選手カードには実名が使われていた。 Yゲームも同様に,プロ野球カードゲーム形式のSNSゲームで,選手カードをガチャ等の方法で入手することや,理想のプロ野球チームを編成していくことを内容とする点などが共通していた。選手カードは実名

    SNS野球ゲームの著作権侵害 東京地判平25.11.29(平23ワ29184号) - IT・システム判例メモ
    timetrain
    timetrain 2014/04/14
    裁判官といえど素人の判断が業界を変えてしまうことへの危惧がずっとある。これ以外に解がないことはわかってるんだけど……
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