製鋼メーカあるいは鋼材問屋から、素材が納入される場合、どんな状態で納入されるか、知ることは部品に機械加工をしたり、熱処理を行う場合重要なことです。一般的には鋼材に添付されているミルシートによって確認ができますが、その履歴が不明な場合も少なくありません。鋼材と納入時の記号については、一般鋼材は圧延のまま、Rの状態で納入されます。これは熱間圧延後空冷をした状態です。空冷だから焼ならしNと勘違いをしてはいけません。N品はR品を再加熱して空冷を行い、結晶粒を調整したものです。R処理の段階で冷却速度を調節し、所要の硬さと強さにした鋼を非調質鋼と云い、熱処理を行わないで用いる鋼です。組織はパーライトです。調質を行った同じ強度のものと比較すると、じん性が若干劣ります。 冷間鍛造用鋼やSUJなどは球状化焼なまし(HAS)の状態で納入されます。丸棒の場合が多いのでこのまま使用しますが、熱間鍛造や熱間圧延など