東日本大震災9年-福島/水素エネの循環のモデルに 東日本大震災と東京電力福島第1原発事故の複合被災地である同県浪江町に7日、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)と経済産業省が整備を進めてきた「福島水素エネルギー研究フィールド」が開所する。 再生可能エネルギーの太陽光が由来の水素を作る世界最大級の工場。再エネだけで水素を作ると製造段階も含めて二酸化炭素(CO2)を排出しない「CO2フリー」を達成できる。水素の「地産地消」が今後進めば福島の創造的復興を後押しすると期待される。 研究フィールドはNEDOと経産省による技術実証事業として計画された。再エネの導入拡大に伴う余剰電力を水素に変換させ、広く社会で利活用するモデルの確立を目指す。両者の委託を受けた東芝エネルギーシステムズ、東北電力、岩谷産業の3社が技術開発に当たる。 原発事故で一時全町避難を強いられた町には、9年が経過した今なお帰
排ガス出さず音も静か 燃料電池バス9日から実証運行 宮城交通 宮城交通(仙台市)は9日から、水素と酸素の化学反応で発生させた電気で走る燃料電池(FC)バスの実証運行を路線バスのルートを使って行う。水素エネルギー普及に取り組む県の委託事業で、FCバスが県内で初めて路線バスのルートを走行する。 使用車両はトヨタ自動車のFCバス「SORA」で定員79人。大気汚染の原因となる二酸化炭素や窒素酸化物などを排出せず、走行音も静かなのが特徴だ。県は実証運行後に費用やルートなどの課題を整理し、早期導入へ検討する。 期間は27日までの計11日間。宮城大学線、宮城学院線、虹の丘団地線、泉パークタウン線、松陵ニュータウン線、将監団地線、新富谷ガーデンシティ線、泉ケ丘大富線の8路線を走る。 通常の路線バスの合間に運行。日によって路線や発着時間は異なり、時刻表は宮城交通ホームページで確認できる。バスに行き先の表示な
東北大の研究グループが秋田県仙北市の玉川温泉で温泉水から水素燃料を取り出す実験に成功した。強酸性の天然温泉とアルミニウムを化学反応させ、水素を生成する効率的な手法を確立した。従来の生成工程で発生する二酸化炭素(CO2)を出さず、温室効果ガスの排出抑制につながるとして、研究グループは実用化に向けた試験を新年度に始める。温泉地の多い東北の新たな産業創出や、温泉資源の観光以外の有効な活用策として注目されそうだ。 玉川温泉は水素イオン指数(pH)が1程度と、国内で最も酸性度が高いとされる。源泉「大噴(おおぶけ)」からの単一湧出量も毎分約9000リットルと日本一。温泉水は約1キロ下流にある国の施設で中和処理されている。 東北大大学院環境科学研究科の土屋範芳教授(地球工学)らの研究グループは2017年11月、アルミを入れた容器に毎分6リットルの温泉水を3時間流し、水素20リットルを生成する実験をした。
安定発電へ水素精製 浄水場で8月実証実験 仙台市水道局と東北大は8月上旬、太陽光発電で水素を精製し、夜間や降雨時に水素と酸素を化学反応させて電力を安定供給する実証実験を仙台市太白区の茂庭浄水場で始める。再生可能エネルギーの有効活用と、浄水場での大容量非常用電源の確保を目指す。 計画では、同浄水場の太陽光パネル(最大出力20キロワット)の余剰電力で水を電気分解し、発生した水素を30立方メートルのタンクにためる。太陽光発電の出力が不足した時は水素で発電し、浄水場外部から供給された電力の使用量抑制を狙う。 水道局茂庭浄水課の太田信課長は「太陽光発電の供給量は日照で変動するが、水素の活用で安定的に供給可能だ。非常用電源としても期待が大きい」と話す。 実験期間は2019年2月までの予定で、事業費は約4億5000万円。東北大大学院工学研究科の津田理教授らの提案を採択した新エネルギー・産業技術総合開発機
東京電力福島第1原発事故に伴い全町避難が続く福島県浪江町は26日、津波に襲われた請戸小の黒板の搬出を始めた。「請戸、必ず復興する」などと救助で出動した自衛隊員らのメッセージが数多く記されている。最近になって復興と関係のない書き込みが目立ち始め、撤去を決めた。当面、近くの小学校で保管する。 校舎は海岸から約200メートルにあり、津波で1階部分が全壊。2階は無事だった。原発事故で退避指示が出され、本格的な捜索は事故1カ月後に再開。自衛隊員や警察官が校舎に入った。 その際、教室の黒板とホワイトボード計13枚に「請戸を忘れない」「天は乗り越える事の出来る試練しか与えない」などと励ましの言葉を書き込んだ。窓から吹き込む潮風に長期間さらされ、字は薄れてきている。 黒板は町の委託業者が近くの幾世橋(きよはし)小の体育館に運び入れた。グランドピアノや時計なども3月上旬までに移す。校舎の扱いは決まって
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