「安全の確保は、輸送の生命である。」 これは、国土交通省が鉄道業務に従事する者へ向けて表明している「運転の安全の確保に関する省令」に記載された言葉である。いうまでもなく、鉄道にとって安全の確保は絶対であり、何事に替えてでも守らなければいけない。多くの鉄道会社は安全綱領としてこの言葉を掲げ、胸に刻んで日々の業務を行っている。 しかしながら、事故は起こってしまうものだ。その時大切なのは、事故から学び、再び起こらないようにすること。そのためには事故原因を徹底的に追及するとともに、その内容を正しく伝えていく必要がある。 近年いくつかの鉄道会社で、過去に起こした事故を展示し、そこから得られる教訓を学習できる施設が設置されている。これら施設は基本的に自社社員の教育を目的としており、他の鉄道会社や一般への公開はしていないところがほとんどであるが、このたび大阪市交通局が研修施設を一般公開することになった。