仙台市太白区の太白山(標高320メートル)中腹の雑木林の地面で、直径2・5センチの殻の周縁部に長さ1・5~2ミリの「毛」を生やしたカタツムリを、大崎市岩出山の自然観察家、阿部敏一さん(70)が見つけた。 「オウウケ(奥羽毛)マイマイ」といい、地上にいるごく小さな虫を餌にする珍しい種類。毛は「毛茸(もうじょう)」と呼ばれる。やや硬く、殻の一部が形を変えたものという。自由に動かせるわけではないが、地面に覆いかぶさった殻の下から虫が逃げないように囲う機能を果たしているのではないかと阿部さんは推測する。 普通のカタツムリは葉や樹液を餌にするが、オウウケマイマイは虫を効率的に捕ることができるように毛茸という「武器」を備えたと解釈でき、自然の多様さを物語る。【小原博人】