Part Iはこちら 前回、シュウゴアーツとBLDギャラリーでの個展において、従来の二枚組展示が消えたことをふまえて、私は以下のように述べた: 今回、BLDギャラリーとシュウゴアーツで開催された個展は、2002〜10年に撮影された作品群によって構成されているが、大きな変化は二枚組展示が消えたことである。その結果、中平作品のアブソープティヴなモードが独走して、写真の狂気がより剥き出しになっている。もはや中平卓馬という個人の感性は、上記スタイルを定数とし、二つの強迫的イメージ「触覚的な表層」「一つ目」を変数にして、写真と関わり合うに過ぎない。距離を失って激化した純粋写真(「これ」の等価性)の中へ、作家自身が散り散りバラバラに飲み込まれつつあるかのようだ。ただ「名前」のシリーズが、作家の伝記的生と細くつながり、そして数点の「脇に脱ける風景(中心的な「これ」の脇に向こうの風景も写っている:「これ」