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  • 報告には行動目標が必要 - レジデント初期研修用資料

    業務における報告は、個人的には簡潔であるほど好ましい。話しかたこそ丁寧なのに、題に相当する内容がなかなか始まらない報告は、できることならやめてほしいなと思う。 簡潔な報告には行動目標が含まれている 何かのプレゼンテーションを行うときには、それを聞いた相手がどうなってほしいのか、あらかじめ目標を立てておかないといけない。目標なしにスライドを飾っても面白いプレゼンテーションにはならないし、なによりもそうしたプレゼンテーションは、聞いた人に満足が生まれない。 業務におけるちょっとした報告もまた、それを聞いた相手にどうなってほしいのか、行動目標みたいなものを頭に置いて行うと、簡潔で分かりやすい報告を行うことができる。 報告を行なって、相手に判断させたいのか、それとも病棟に来てほしいのか、あるいは書類にサインをさせたいのか、行動目標のある報告は、前半の2割ぐらいを聞いた時点で、自分なりに何をすれば

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    tn5589 2013/05/16
  • 制約を身につける - レジデント初期研修用資料

    「ここまでは得意ですが、ここから先はできません」という制約を持つ人が得意分野に熟達すると、その人は専門家と呼ばれるようになる。 「得意不得意こそありますが、私は基的になんでもやります」という人が全方向に頑張ると、その人は「熟達した使い走り」になってしまう。 制約は知恵を引き出す たとえば300文字程度の考えを文章化しようと思ったときに、Twitter はいい道具になる。簡単なサービスだからすぐに書けるし、つながった誰かの反応をもらうこともできる。何よりもTwiter には「140文字しか書けない」という制約があって、アイデアを文章化するときには、こうした制約が役に立つ。 アイデアを文章化するのに必要なのが300字なら、Twitter ではそれを2回に分けて書く必要がある。ベタ打ちしたアイデアを途中できるのはみっともないから、思いついた何かは必然的に、140字で語れるだけの大きさに分割され

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    tn5589 2013/01/07
  • 大きな文章の作りかた - レジデント初期研修用資料

    広告: 2010年に出版させていただいた「内科診療ヒントブック」の改訂版が、11月下旬に発売されることになりました。病棟業務に携わる方々に役に立つものになったのではないかと思います。手にとっていただければ幸いです。以下文。 20万字と4年間 自分は2008年頃より病院内で原稿を書きため、ネットでの公開を経て、2010年にオーム社より書籍として出版させていただいた。今回出版される改訂版の現在に至るまで、書籍の原稿はテキストデータでだいたい20万字。ファイルの大きさそれ自体は1MBに満たない。 参考書籍が改版になったり、あるいは新しい知識や経験を仕入れたり、出版していただいて以降は読者の方から指摘をいただいたりするごとに原稿は書き換えられ、今回出版される改訂版の原稿は、初代から数えて381世代目のものになる。 20万字という比較的大きな原稿を長期間管理していく上で、やっておいてよかったこと、

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    tn5589 2012/11/10
  • マインドコントロールの基礎 - レジデント初期研修用資料

    うちの家を、まったくの他人が支配してたことがあったという逸話を読んで思ったこと。 リンク先では、「母の友人」としてやってきた正体のよく分からない人が、家族のそれぞれに怪しい働きかけを行うことで、一家が離散寸前まで追い詰められる。 マインドコントロールというと、なんだか怪しげな、複雑怪奇な技法を想像しがちなのだけれど、リンク先の物語で行われていることはたぶん、「君、なんだか評判悪いみたいだね。でも僕は君の味方だから」という文言を、家族の全員に、何度も繰り返していただけなのだろうと思う。 心理的な隔離の効果 上司に当たる人が、組織から誰かをつかまえて、「君、なんだか評判悪いみたいだね。でも僕は君の味方だから」といい含め、組織に戻すと、呼び出されたその人は、他の人を信じられなくなる。他ののメンバーに自分の評判を確認すれば、もちろん「そんなことはない」という返事が返ってくるのだろうけれど、それが嘘

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    tn5589 2012/10/25
  • 新しい市場のつくりかた - レジデント初期研修用資料

    最近買った新しい市場のつくりかたというの感想文。 足で書いたは面白い 今までになかった新しい商品を販売することで成功した人たちを訪ね歩いて、成功の理由、あるいは新しい商品を発送する原理のようなものを導こうとした。いろいろ参考になった これは「足で書かれただ」という印象を持った。理念ではなく、具体を重ねて論に到達するような。こうした書かれかたをしたは、読むといろんな発想が広がる。同じ具体例を作者と共有しつつ、作者とは異なった理念の衝突が楽しかったりもする 「足で書かれた」とは逆に、理念先行、論が理念を補強する「頭で書かれた」というものもある。頭で書かれたで描かれる理念は整合がとれていて、読んで「ははぁ」と頷く部分も多いのだけれど、発想はそこで閉じてしまうことも多い 個人的にはたとえば、佐々淳行の危機管理に関するは、「頭で書かれた」であるように思う。佐々の危機管理に関する

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    tn5589 2012/10/15
  • 人事の説得技術 - レジデント初期研修用資料

    最近話題になった、私はこうして退職を強要された/NECリストラ 面談一問一答メモ という記事を読んで、ネットでいろいろ教えていただいたことのまとめ。 独特の言葉遣いについて 記事中では、NECからの退職を拒否した「男性」が、11回も繰り返される面談を通じて、「上司」から退職を要請される。 上司が執拗に繰り返す「今の職場で今のまま業務を続けてもらうのは難しい」という文言は、読んでいて息が詰まりそうになる。 男性が何を問うても、上司は同じ言葉を繰り返す。記事の後半、激昂した上司が一瞬、普通の言葉で「男性」を叱ってみせるけれど、すぐにまた「今の職場で今のまま業務を続けてもらうのは難しい」という文言に戻る。上司はたぶん、何かの意図があって同じ言葉を繰り返しているのだけれど、自分には当初、その理由がよく分からなかった。 ある意図を達成するために作られた特別な言葉というものがある。有名なのが「記憶にご

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    tn5589 2012/10/10
  • 人は禁じられた方向に努力する - レジデント初期研修用資料

    組織やチームの文化というものは、スローガンや目標ではなく、日常の動作やおしゃべりにおけるちょっとした制約が作り出す。 「全部英語」は極端であるにせよ、その会社、その組織、その業界独自の言葉や言い回しを作ったり、あるいは「その場で発してはいけない言葉」を作って共有すると、その場には独自の空気が生まれる。外から入ってきた人が「その組織の人」になるまでの時間は、そうした空気がある場所では大幅に短くなっていく。 制約が空気を作る 「ノー」を禁じた組織には、「ノー」を表現するための語彙が増えていく。「現実的に」を禁じた会議室からは、実際に実現できるアイデアが増えていく。 何か到達したい状態があるのなら、それを目標として声高に叫んでみせるよりも、目標と反対側の単語を禁じてやると、人間は案外、その方向に能力を発揮する。 内科医の会話から「外科」という言葉を禁じると、「外科に相談」みたいに便利な言葉が一切

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    tn5589 2012/09/24
  • 必要なものとほしかったもの - レジデント初期研修用資料

    「必要なもの」の反対語は「ほしかったもの」なのだと思う。 必要なものは目的が作り出す。たいていはいつでも買えるし、買った結果は見通せる。ほしかったものは出会いが作り出す。出会ったその瞬間まで、お客さんは「それがほしかった自分」がいたことなんて想像だにしない。 必要なものはあらかじめ想定された選択肢であって、買い叩かれる対象でもある。それが必要なものになったその途端、その商品は価値を失うと言い換えてもいい。欲しかったものは、出会う時まではお客の頭に存在しない。選択とは無縁の何かで、価値は下がらない。 田舎のホームセンターは十分に大きくて、必要な物はなんだって揃っているのに、欲しいものが何もない。何かの機会に東京に出かけると、地下街を歩くのが常なのだけれど、欲しかったものばかりがそこにあってびっくりする。実際にそれが必要かといえばそうでもないし、ホームセンターを探せば、欲しかったその商品と同じ

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    tn5589 2012/07/30
  • 危機対応覚え書き - レジデント初期研修用資料

    ファーストサーバーの事故対応や、そのユーザーである「前代未聞空前絶後の無限地獄に叩きこまれた」「阿鼻叫喚のハンバーガーヒルを駆け抜けたサーバ管理者」の方々の、いろんなつぶやきを読んで考えたこと。 口をひとつに 危機対応を行う際には、判断に専念するリーダー役と、発表やコミュニケーションに専念するネゴシエーターと、できれば別々に、それぞれ専属の誰かを置いたほうがいい。 危機の当初は情報が錯綜するし、危機に対応する側も、あるいはその危機から被害を被った側も、様々な「当事者」が情報を発信する。危機に対応する側は、恐ろしく忙しいことになっているにせよ、この情報を放置してしまうと、2ちゃんねるあたりに「現場の声」が匿名で掲載され、ニュースになって収拾がつかなくなってしまう。 佐々淳行のでは、危機対応のリーダーを決定したら、「まずは緘口令をしけ」と説く。記者の人たちが何を聞いても、「命令」がそこにあれ

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    tn5589 2012/07/04
  • 「ちゃんと」できる人なんていない - レジデント初期研修用資料

    あってはならない「確実に」という作業指示 – プリウスに見るゴムホースの「組み付け基準」 という記事が興味深かった。 「適切」は難しい 「適切に」判断したり、「正しく」組み付けたりすることは、特にそれが100% に近い再現を求められた場合には、とんでもなく難しい。 詳細なマニュアルを作成して、現場にそれを徹底したところで、大きく「適切に判断を行う」と書かれた項目が残っていたら、かならず誰かが間違える。 「適切」な判断や「正しい」組み付けを現場に実現しようと思ったら、マニュアルから「適切」や「正しく」といった言葉を追放すればいい。便利な言葉が禁止されれば不便になって、マニュアルを書く人は頭を抱える。抱えた頭で手順を見直すと、「正しく」やらなくても正しい結果にしかなりようがない、来そうあるべき手順が見つかる。 困っている人は「正しく」やらない 最近部屋を整理していたら、棚の奥から研修医時代

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    tn5589 2012/05/14
  • 講習会覚え書き - レジデント初期研修用資料

    最近参加した、某講習会での感想。新しいことを教えてくれる講習会というよりも、ある程度知っていたことを整理して、ひとかたまりの知識として提供してくれるようなものだった。有償。 スライド棒読みはそこそこ満足できる 研究発表よりも資格講座に近い講習会だったから、スライドは教科書の抜粋で、その分野の参考書も、講習会で使われたパワーポイントも、ハンドアウトとしてあらかじめもらうことができた。その結果として、講習会は「パワーポイントの朗読」に近い形式になってしまうことになったけれど、それでも案外、「何かを聞いた」という満足感が得られた スティーブジョブズのプレゼンテーションは、あれは全く新しい何かを予告無しに紹介するという、プレゼンテーションとしてはむしろ特殊な状況であって、講習会みたいな場所で、ジョブズと同じことをやろうものなら、たぶんメモ取りが追いつかなくなる。プレゼンテーションの話者が場を上手に

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    tn5589 2011/10/18
  • 熱心な人は恐ろしい - レジデント初期研修用資料

    それが敵であっても味方であっても、正義や熱意で動く人というのは恐ろしい。 損得勘定で動く人なら、立ち位置が異なっても会話はできるし、お互いの行動はある程度読めるけれど、正義や熱意で動く人はまず真っ先に損得勘定を除外するから、何が出てくるのか分からない。 有能な敵は頼りになる 「有能な敵」は、状況によっては味方よりも頼りになる。「無能な味方」は、もしかしたら真っ先に背中を刺しに来る。 嗄幼くてはいけない相手だからこそ、抜け目のない敵は相手をよく観察している。観察した相手だからこそ話は通じて、立場は異なっても、ゆがみのない会話ができる。味方を自認する人は、味方であることにしばしば安住してしまう。観察を怠った人は、「あいつならたぶんこうだろう」という予測が外れると怒り出す。味方であったはずなのに。 当直時間帯における頼るべき「有能な敵」は、「見逃すと翌朝までに患者さんが亡くなりうる疾患」のリスト

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    tn5589 2011/09/24
  • 問題と向き合う態度について - レジデント初期研修用資料

    それが勉強であっても遊びであっても、何かの問題に対峙したときには、まずはその問題とどう向き合っていくのか、自分の覚悟というか、計画を「これ」と定めておかないと、努力を積むときの効率がずいぶん変わってくる。 人間の先を超えた人 難しすぎて、人間には攻略不可能なんじゃないかと言われていた「怒首領蜂 大往生 デスレーベル」をクリアした人のインタビュー記事 が興味深くて、未だによく読み返す。 ゲームを攻略するときには、「リソース管理」と「クリア計画」という考えかたがあって、自分にはとても新鮮なものたに思えた。 <引用> クリアの計画とは普通のシューティングゲームを攻略する場合に使う大局的な考え方で、コンティニューしても何でも良いのでとりあえず1回ラスボスを拝むところまでプレイした後に、ラスボスを倒すためには何が必要かを見積ります。 具体的には、まずラスボスを確実に倒すためには残機が何機必要で、ボム

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    tn5589 2011/09/04
  • 価値の判断は面倒くさい - レジデント初期研修用資料

    「それが自分にとって面白いのかどうか」を判断するのは面倒な仕事で、人間は、その気になればどこまでも怠惰になれる。 流行しているサービスや、景気の悪いときでもお金を生んでいる産業というものは、そうした面倒くささを回避する仕組みを持っている。顧客から判断の機会を奪うことが、結果としてお金を生むことにつながるのだと思う。 楽は楽しい たとえば早朝の時間帯、当直の起き抜けは、自分の頭が一番働いていない瞬間の一つであって、を開いたって何一つ頭には入ってこない。 ネットを見たところで、状況はそんなに変わらないのだけれど、たとえばTumblr みたいなサービスは、頭がどれだけ回っていなくても、それなりに文章を追っかけられて、何かを楽しんだ気分になれる。 Tumblr のダッシュボードには、自分以外の誰かが「これは面白い」と判断した文章の断片が、自動的に更新されていく。文章は抜き書きみたいなものだからた

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    tn5589 2011/08/24
  • 状態を動作で記述すること - レジデント初期研修用資料

    「アナタはなぜチェックリストを使わないのか? 」 というの感想。続き。 チェックリストを作ることの効果というものは、「正常」を言語化できることにあるのだと思う チェックリストを作るときには、たとえば「○○が正常に接続されていることを確認する」だとか、正常という言葉をリストから追放することが求められる。それを許してしまうと、「正常とは何か?」という疑問に対して、「正常であることだ」という間抜けな答えしか返せなくなってしまう 正常であることを、「異常でないこと」でしか記述できない人は多い。ある定状状態にあって、それなりにきちんと動いている何かを見て、どうしてそれがきちんと動いているのか、突き詰めて考えている人は少ないしだろうから 医療において健康という状態は、「病気でない」ことでしか記述できない。医学的に正しい健康品というものは存在しないし、西洋医学の薬というものは、基的に病気でない状態

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    tn5589 2011/08/10
  • チェックリストについて - レジデント初期研修用資料

    Recent Entries チェックリストについて Amazonのレビューについて 賞賛の採算性 ロバストネスとゲーム性 砂場としての2ちゃんねる 少しだけいいものが選べない 不思議なものとのつきあいかた 説得の技術について 悪い知識は大切 コンテストのドレスコード Recent Comments 賞賛の採算性 08/02 medtoolz 08/02 エリヤフ先生 ロバストネスとゲーム性 07/28 medtoolz 07/28 エリヤフ先生 07/28 itohkun55 砂場としての2ちゃんねる 07/25 市民 07/24 hiro 07/24 まるむし 07/24 Anonymous 07/24 長万部 Recent Trackbacks Amazonのレビューについて 08/07 いつか世界に仇なす 少しだけいいものが選べない 07/28 ず's » 機械翻訳... 砂場とし

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    tn5589 2011/08/08
  • 賞賛の採算性 - レジデント初期研修用資料

    夏休みになると日記の宿題が出て、あれが嫌で嫌でしょうがなかった。 日記が大好きな子供なんて、今でもたぶん、決して多いはずがないのに、インターネットで文章を書く人はびっくりするぐらいに多い。 日記にはない、ネットが持っている大事な機能が「他人の目」なのだと思う。それがどんな形であれ、自分以外の誰かの反応が、できれば賞賛する側に返ってくることで、その人の振る舞いは大きく変化する。 ほめるのは難しい けなされれば人は腐るし、何かの能力をほめられると、時々人は大きく伸びる。「ほめて育てましょう」と言葉にするのは簡単だけれど、実際のところ、誰かをほめるのは恐ろしく難しい。 誰かをけなせばいいのなら、仕事を命じて、マニュアルを渡して、結果が出るまで放置して、規定に足りていない部分をあげつらえばいい。ところが誰かをほめようと思ったら、その人がどんな工夫をして仕事をこなすのか、ほめる人はずっと見張っていな

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    tn5589 2011/08/01
  • 悪い知識は大切 - レジデント初期研修用資料

    道徳は大切だけれど、道徳的な人間を生み出そうと思ったときに、道徳だけを教えたのでは片手落ちなのだと思う。道徳というものは、不道徳な「悪い知識」を土台にすることで、初めて堅固な力を持てる。 道徳の効用 理念や道徳というものは、「手続きに従えば簡単に扱える人間」を作る手段として役に立つ。 道徳を、道徳単体として「正しいものだ」と習った人は、道徳的に基づいて何かを促されると逆らえないし、よしんば法律に違反するようなことを命じられても、それが「道徳的なのだ」と強弁されると、高い可能性でそれに従ってくれる。 他人を陥れる方法や、欺瞞を運用して誰かに特定の振る舞いを強要する方法を教わった人は、人を操作するための手続きを見破ることができる。こういう知識を持った人は、運用された道徳から自由でいられて、結果としてたぶん、道徳や理念はどういうものが好ましいのか、自分の頭で考えられる。 どちらの人間がより好まし

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    tn5589 2011/07/06
  • 堅牢さについて - レジデント初期研修用資料

    セキュアなシステムというものは、どこかに歴史を内包している。それぞれの階層は、それぞれの時代で使われた技術で作られていて、技術は階層をまたがないようになっている 乗用車のパワーステアリングは古典的なギア機構だけれど、アシスト貴構は、それを包み込むような構造になっていて、精緻な制御と堅牢さとが同居している。フライバイワイアのシステムは、そのあたりどこか、過去を切り捨てた怖さがある。高性能を目指したシステムと、堅牢さを目指したシステムと、おそらく両立は難しいのだと思う 東京都消防のPCが落ちた際、消防署の職員はビルの屋上に上がって火の監視を行った。現代の通報システムがダウンしたときに役立ったのは、江戸時代の火の見櫓のシステムだった 米軍のミレミアムチャレンジにおいて、敵役を任命された将軍は、「開戦当初に米軍は敵の通信設備を破壊した」という設定に対抗して、サーチライトと手旗による通信を駆使した結

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    tn5589 2011/05/22
  • 無能から見える風景 - レジデント初期研修用資料

    Recent Entries 無能から見える風景 乱暴な言葉の使いかた 下段の間合いを削る人 何かを呼ぶには3人必要 共通言語としての損得勘定 負けるのは大事 悪い奴らは来なかった 体質改善は怪我に効かない 平凡なのにはわけがある 悪役の深度について Recent Comments 下段の間合いを削る人 05/09 tetsukawa 05/06 medtoolz 05/06 xen 悪い奴らは来なかった 04/30 デフォルトの名無しさん このは何でないのか 12/31 medtoolz 12/30 薬屋支店総務 12/30 愛読者 12/30 エリヤフ先生 12/29 medtoolz 案外やっていけるお店のこと 12/30 kaka Recent Trackbacks 乱暴な言葉の使いかた 05/11 5月10日の気になったニュース:高レベル... 05/09 乱暴な言葉の使いかた

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    tn5589 2011/05/12