【ニューヨーク=加藤美喜】米航空宇宙局(NASA)は十三日、月探査機「エルクロス」による調査の結果、月に水が存在するデータを得たと発表した。将来の有人月面探査の際に飲料水として使えるほか、分解して酸素や燃料として使える可能性もあるという。 月の南極付近のクレーター「カベウス」には太陽光が永久に当たらない部分があり、水分が氷の形で存在する可能性が高いとされていた。NASAは十月九日、エルクロスをカベウスに激突させ、高く舞い上がった噴出物を分光計で分析。その結果、土砂の中に水蒸気が確認された。飛散した水分は約九十リットル相当に上るという。 NASAは会見で、「今回の発見は、月を理解する上で新たな章を開くものだ」と述べ、これら、月の極付近の水が数十億年前から存在するものならば、「太陽系の歴史や進化の解明につながる」と意義を強調した。