国立極地研究所の長谷川達央隊員らは、重度の船酔いをする人に比べ、船酔いが軽度またはまったくない人は、呼気に含む二酸化炭素(CO2)濃度が乗船中に高くなるとの成果を公表した。南極観測船「しらせ」の船内で観測隊員を被験者に、アンケートと呼気中のCO2濃度の計測で明らかにした。呼気中のCO2濃度計測で船酔いが重症になりそうな人を予想でき、予防・治療薬の適性な使用につなげられる。 船酔いは不快なだけでなく、吐き気のために船内での調査研究を行う隊員の業務効率を極端に下げる。これまで船酔いの客観的な指標はほとんど見つかっていなかった。 しらせが豪州・フリーマントルを出港後の3日間、被験者に対し3―4時間ごとに船酔いのアンケートと呼気中のCO2濃度の計測を実施した。14人の隊員のデータから、重度の船酔いの人ほど呼気中のCO2濃度が低い傾向にあった。