私たちが取材したタリバン戦闘員たちは、アフガニスタン主要都市マザーリシャリーフからわずか30分のところに配備されていた(文中敬称略)。 彼らが見せびらかす「ハニマト(戦果)」には、米軍車両ハンヴィー(高機動多用途装輪車)や軽トラック、大量の強力なマシンガンなどが含まれる。重装備の集団の中心には、マドラサ(イスラム宗教学校)出身で今では地元の軍事司令官になったアイヌディンが、厳しい表情で立っている。 反政府勢力タリバンは、アメリカをはじめとする国際駐留部隊がほぼ全て撤退を終えた今、毎日のようにアフガニスタン国内で支配地域を拡大している。この勢力争いになすすべもなく巻き込まれているのが、恐れおののく国民だ。