筆者は最近、「技術的負債」という言葉に注目している。個人的には「中身が分からなくなったり、扱える技術者がいなくなったりして、手を付けられなくなった結果、仕方なく割高な運用費を支払い続けながら動かしているシステムのこと」と理解している。 この言葉が意味することは、決して新しい話ではない。「新規3割・保守7割」とされるIT予算の使い道について、10年以上前から「新規開発に使える費用の割合をもっと増やさなければ」と、幾度となく叫ばれてきた経緯がある。 技術的負債が「2025年の崖」に直結 なぜ今、筆者が技術的負債に興味を持ったのか。デジタルディスラプター(デジタル破壊者)に対抗するため、あらゆる業種・業態の企業でデジタル化による事業変革、いわゆるデジタルトランスフォーメーション(DX)が進みつつあるからだ。 デジタル分野への新規投資コストの出どころが、システム部門か事業部門か経営企画部門かは別に