骨密度を下げた〝骨なし〟のニジマス。外観は普通と変わらない(杉浦省三氏提供)焼き魚や煮魚の料理を食べるとき、骨を取り除くのに手間取った経験はないだろうか。この骨を意識せずに食べられるほど柔らかくした魚の養殖法を、滋賀県立大の研究チームが開発したという。子供や高齢者でも安心して食べられ、カルシウムの摂取にもつながる。現在は試験販売を目指して協力相手を募集中で、世間の反応をふまえて今後の方向性を見極める。一方、養殖法の特許出願は国内のみで国際特許は出願できておらず、将来的には技術流出の懸念も抱えている。 骨密度は70%程度昔から日本人の食卓に欠かせない魚は、認知機能に好影響を与えるとされるドコサヘキサエン酸(DHA)や、良質なタンパク質をはじめ、優れた栄養特性を持つ。 しかし、政府の水産白書(令和5年度)によると、魚介類の1人当たり年間消費量はピークだった平成13(2001)年度の40・2キロ