ブックマーク / note.com/shinshinohara (15)

  • 金持ちイジメに見えて金持ちに有利になる世論誘導|shinshinohara

    もう二十年ほど前から「東大に進学するのは裕福な家庭」という報道が繰り返されている。そしてそのことを知っている人は非常に多く、今や常識。そのためか、街角インタビューでも「どうせ東大生は金持ち出身なんでしょ、だったら学費上げても構わないでしょ」という意見が。 これは恐らく「金持ちからはふんだくったらいい、ざまあみろ」という報復感情も多少手伝っているのだろう。 しかし実態は逆になる。金持ちには150万円の学費なんか痛くもかゆくもない。しかし貧困家庭ではとても支払えない金額。単に貧困家庭を大学という学歴から締め出す効果しか起きない。 これと似たことが政治でも。日では「政治家はカネに汚い」というイメージがある。どうせ権力を利用してお金儲けしてるのだし、元々金持ちだろうから、政治家は無給にしてタダ働きさせればいい、という意見がしばしば出る。これを、金持ち政治家に一矢報いるアイディアくらいに思う人が少

    金持ちイジメに見えて金持ちに有利になる世論誘導|shinshinohara
    toraba
    toraba 2024/06/09
  • その「食品ロス」は本当に食品ロスなのか?|shinshinohara

    品ロス削減に熱心な学生が演壇に上り、「農家の現場ではまだ十分べられる野菜が大量に捨てられているのを見てショックだった、これを売ってべれば品ロスは減らせる。規格に合った野菜だけを売るのはおかしい」と訴えていた。会場にいる人達もウンウンとうなづいていた。 そんな中、私に話が振られた。「実は規格外の野菜を出荷しようとすると品ロスが増える」という話を始めた。 「曲がったキュウリは箱の中にうまく収納できず、輸送中にガサゴソ動く。するとスーパーに届く頃には傷だらけになる。かたや、真っ直ぐなキュウリは隙間なく詰められるから傷つきにくい」 「トマトが数個ずつパックされてるのは、プラスチックとラップなどの資源無駄遣いに見えるかもしれない。けれどああでもしないと、日の柔らかくて傷つきやすいトマトを店にまで届けることができない。」 「傷ついてもいいじゃないか、と思われるかもしれない。けれど傷ついた野

    その「食品ロス」は本当に食品ロスなのか?|shinshinohara
    toraba
    toraba 2024/05/17
    昔はお菓子とかの個包装を過剰包装だと考えてたけど、多くの人は一度に食べきらない&高温多湿な日本では開封済みの食べ物が傷みやすいことを知って考えを改めた。
  • 「いじり」は笑いを提供しているのではない、嗤いで人々を支配したいだけだ|shinshinohara

    ビートたけしに始まり、ダウンタウンが引き継いだ「いじり」という手法は、集団を「嗤(わら)い」で支配できるということを子どもたちに示してしまった面があるように思う。 頭の回転がよく、言葉巧みな強者は、特定の人間を「いじられキャラ」に仕立てることで嗤いを生む。この場合、 いじられキャラと目された人間は、他のポジションを要望する自由を奪われる。もし拒否すれば、「笑いがわかってない」「せっかくお前が主人公になれるようにしてやったのに」と恩着せがましさを見せながら相手を罵り、それでも拒否するなら集団から排除する。「おもんねーヤツ」とレッテルを貼って。 こうした強者は空気を支配するのがうまい。大学のサークルの新歓コンパで、そうした先輩がいた。新人に自己紹介をさせたあと、ビールを何杯も飲ませて酔い潰させていた。さて、私の番。ビールを飲み干し、コップを頭の上で逆さにし、「あー、うまかった」と言ってそのまま

    「いじり」は笑いを提供しているのではない、嗤いで人々を支配したいだけだ|shinshinohara
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    toraba 2023/12/31
    ナイツ塙「バラエティでは人を傷つける笑いもバンバン使ってるのに『伝説の一日』で披露されたダウンタウンの漫才は、発想だけで笑わせて誰も傷つけてないのが凄い。」https://youtu.be/pEBYxxGJD9w?t=258
  • 子どもに出会う機会がない若者(大人)たち|shinshinohara

    大学院生を事に招いたところ、女子学生二人とも赤ちゃんを抱いたことがないという。当時赤ちゃんだった息子を抱いてもらった。おそるおそる。毎日事に招いて、そのたびに赤ちゃんと触れ合うことになり。あるときふと、「実は子どもが苦手だったんです、どうすればよいのかわからなくて」と。 親類にも小さな子はおらず、子どもと出会う機会はなかったという。で、子どもという存在の得体が知れないので、どうすればよいかわからず、距離を取ってきたという。「でもこうして毎日接するうちに、かわいいと思えるようになってきました」。二人とも早くに結婚し、子どもも授かってる。 ウェブ飲み会で「親ガチャ」について話していたときも、若い女性が「子どもと出会う機会がない」と話していた。職場の女性の子どもと少し挨拶するくらい、お客さんの連れて来る子どもと少しすれ違うくらいで、それ以外には子どもと接することがないという。だから子どもを生

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    toraba 2023/12/02
  • 体験欠乏症|shinshinohara

    お金もらうわけにいかないし、晩飯だけべさせて」という約束で家庭教師をしていたことがある。指導することになったその子の状況について、家族全員に説明していたところ、その子の妹が不思議そうに「なんで文章みたいに話せるの?」と聞いてきた。 その家族の会話は、ほとんど単語で終わっていた。「ねえ、○○は?」「おい、△△しろ」その場の状況から察することができるから、単語で事足りる生活をしていた。状況から察する能力があるのだから、頭は悪くない。ただし、言葉を鍛えられる環境にはなかった。 もちろん家族の誰も、を読む習慣がなかった。「文章」と出会うのは、学校の教科書くらい。そんな生活環境の中で、私のように「文章」のように論理を組み立ててしゃべる人と出会って、その妹は驚いたようだ。 そのような生活環境で言葉を鍛えることができるかというと、難しい。言葉を鍛えなければ、学校の勉強についていくのも難しくなる。何

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    toraba 2023/11/25
  • 目標から逆算し、先回りされると意欲を奪われる|shinshinohara

    私の塾は基、成績のあまりよろしくない生徒が来ていたのだけれど、たまに勘違い(?)した親が、ものすごく成績の良い子を連れてきて「お願いします」と言ってくる場合があった。中学受験に失敗し、高校受験で挽回したい、という熱意を母親が持っていた。面接のとき、母親は子どもに語りかけた。 「あなた、同級生の○○ちゃんが合格して、泣いて悔しがったでしょう?高校受験で挽回する、って誓ったじゃない!?○○ちゃんは今頃頑張っているよ。負けていられないわよ」子どもはうなづきつつも、またその話か、といった、辟易とした顔をした。 不合格だった時は、人も口にしてその通りのことを言ったのだろう。けれど、それを言質に取られて、母親からヤイノヤイノと急き立てられる毎日に、ほとほと疲れ切った様子だった。塾以外の時間も勉強漬けにされ、中学1年なのに眉間に険が走っていた。大の勉強嫌いになってしまっていた。 自分の親とはいえ、他

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    toraba 2023/11/18
  • 先回りすると興味を失う、後回りして驚くと興味を示す|shinshinohara

    子どもが興味関心を失う大きな原因に「先回り」があるらしい。 自分が子どもの頃、大好きだった図鑑があって、「これ、お父さんが大好きでよく読んでいたんだ」というと、一つも読もうとしなかった。 ところが知人がくれた図鑑は擦り切れるほどに何度も読んで、私にその知識を披露してくれた。 私の勧めた図鑑を手にとろうとしなかったのは、私がその図鑑の内容について詳しいからだろう。ということは、その図鑑から知識を仕入れて親に披露しても、親は「ああ、知ってる知ってる」という反応しかしないだろう、それどころか追加の知識も披露して自慢するだろう、と嫌気がさしたのかも。 「名探偵コナン」が大好きな息子。そこにたびたび三国志エピソードが挟まるのに興味をもち、「三国志読んでみたい」と言い出した。三国志好きな私はそれで嬉しくなってしまい、熱く語ってしまった。そこから息子はマンガ三国志を読まなくなってしまった。私が詳しいこと

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    toraba 2023/07/12
  • 「分割して統治」された日本|shinshinohara

    欧米には「分割して統治せよ」という統治術がある。ベルギーはルワンダを植民地にしたとき、鼻の高さなど些細な違いを理由にツチ族とフツ族に分け、片方を優遇することでいがみ合わせた。これが後の虐殺を生む原因ともなった。 国の内部でいがみ合わせると、統治者への憎しみが分散する。 「まさか」と思いつつも、もしかしたら日で「競争原理」を流行させ、正社員と非正規社員とに分断し、いがみ合わせ、労働者がまとまらないように仕向けたのも、日の活力を奪い、その間に漁夫の利を得る「統治者」による現代的な「分割して統治せよ」なのかもしれない、という気がする。 日の強みは労働者が強いことだった。しかも会社への忠誠心も厚いという特徴があった。戦後、労働運動が盛んで会社と労働組合との衝突が絶えない中、カネボウは企業と労働者は同じ船に乗る運命共同体だとした(労使運命共同体論)。ここから、労使協調して企業の発展に尽くすとい

    「分割して統治」された日本|shinshinohara
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    toraba 2023/05/02
    新自由主義者「正社員は恵まれすぎている、正社員という既得権益を守ろうとする労働組合はけしからん」https://youtu.be/O3pi1fbQtVc?t=522
  • 「勉強しないとどうなるか」という脅し|shinshinohara

    勉強しようとしない我が子を見て、「勉強しないとどうなってしまうか」という将来の話をし、なんとか勉強する気を起こさせよう、とする親は多い。気持ちは分かる。勉強しなければ損をする。我が子を思えばこそ、勉強しとけとアドバイスせずにはいられない、と。ただ。 「勉強しなければこうなってしまうぞ」という話は、子どもにとって脅しとなる。そうした脅しを聞いた子どもは勉強に対してどう思うかというと、「こんな脅しでもかけないと勉強しないと思われるくらい、勉強というのはつらくて面白くないんだ」という裏メッセージを受け取ってしまう。その結果。 ますます勉強するのが嫌になる。脅さなければ勉強するはずがない、という親の思いを感じ取って、ますます勉強に対して気が重くなる。ほとんどの子はこのためにますます勉強が嫌になり、なるべく逃げようとする。逃避しようとする。 ごくたまに例外がいる。もともと勉強ができる子。自分は良い成

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    toraba 2023/03/23
  • 世界一の農業国アメリカの農業はGDPのわずか1%強?|shinshinohara

    「日の農業はGDPの1%しかない」、だから補助金を出すなど保護を行うのはおかしい、という日政治家がいた。なるほど、だとしたら、世界最強の農業国、アメリカだったら、きっと農業はGDPの割合も大きいだろうし、農家は補助金ももらわずに独力でやっているのだろう、と想像したくなる。 で、調べてみると。アメリカの農業はGDPの1.14%。あれ?日とたいして違わんやん。農家がどのくらい補助金をもらっているかというと、所得のうち26.4%。これに対して、日は15.6%。あれ?アメリカの農家の方が政府から補助金もらってるやん。どういうこと? 実は、先進国はどこも似たり寄ったりで、農業はGDPの1%強にしかならない。小麦を海外に輸出しているフランスも、農業はGDPの1.37%を稼ぐだけ。しかもフランスの農家は、所得のうち90.2%を補助金としてもらっている。アメリカもフランスも世界有数の農業国だが、

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    toraba 2022/07/08
    ???「日本のGDPのうち、農業など第1次産業は1.5%。1.5%を守るために98.5%が犠牲になっているのでは」https://youtu.be/T5G995ipOEg?t=4520
  • 日本の男性がコミュ障に陥った歴史的経緯(仮説)|shinshinohara

    昨日まとめたツイート、年配の男性が比較的コミュニケーション苦手、という事例をいくつか並べたけれど。私は結構、後天的、社会的な学習によって口下手になったのではないか、という仮説を持っている。実際、江戸時代の「東海道中膝栗毛」なんかを読んでいると。 https://note.com/shinshinohara/n/na646f2174880 いわゆる弥次喜多が繰り出す軽妙なやりとり。こんなの見ていると、男性が口下手、社交下手だったとはちょっと考えにくくて。船に乗ったら「どこのお国ですか?」とか聞いて、すぐ打ち解けたりしている作品は、江戸時代の作品なんか見ていると非常に多い。武士も結構饒舌だし。 外国人が見た幕末の日人を描いた諸作品を読んでも、当時の日人がいかに人懐こかったかがよくわかる。男性もいろいろ好奇心を持って語り掛け、面白がっている様子がよく描かれている。ということは、男性が社交下手

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    toraba 2022/02/06
  • 「ジョブ制」考|shinshinohara

    知人によると、日の強みは、職場で困ってる人を見かけたとき「どうしたの?手伝おうか?」の言葉がスッと出ることじゃないか、という。外国人はこうはいかず、「それはオレの仕事じゃない」とつれなく通り過ぎてしまう。困ってる人はいつまで経っても困り続けることになる。 ジョブ制は、移民の多い国で考えられた工夫だと思う。民族も文化も全然違う、場合によってはその国に来たばかりで右も左もわからない人間に、「お前の仕事はこれ」と明確に領分を決め、それをやりきれるようなら仕事を続けられ、出来ないようなら解雇、というやり方。 仕事の内容が明確なジョブ制は、逆に言えば融通がきかない。契約前に想定していない仕事が発生すると、「それはオレの仕事じゃない」とみんな拒否する。外国企業で人の上に立つ人間は給料高い代わりに夜中まで働く過重労働なのは、ジョブ制で割り振れないのを全部片さなきゃいけないからかも。 日は「チーム」で

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    toraba 2022/02/06
  • 小学校算数のアヤフヤを消す|shinshinohara

    公立中学で学年最下位水準だった子どもを4人みたけれど。みな、中学の内容を終えることができ、高校の授業にもついていけるようになった。それはなぜかと言うと、小学校の内容からやり直したから。中には分数どころか九九もあやしい子がいたけれど、やり直したら習得できた。 たぶんなんだけど、それを習った当時は、それを受けとめるだけの体験が不足していたのだと思う。九九を習った時には、足し算をさんざんやって、2を二回足したら4、三回足したら6、のような蓄積がないと、九九はなかなか身につかない。 分数を習う時には、ケーキを8人で分けたり、ピザを6人で分けたり、おやつを3人で分けたり、という体験が十分蓄積していないと、何を言ってるのか分からない。分数を習った時に「体験ネットワーク」の準備が整っていなければ、分数の内容を受けとめようがない。 しかし。九九や分数を小学校で習ったときには受けとめようがなかった子も、中学

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    toraba 2022/01/31
  • 創造性を奪う競争的資金|shinshinohara

    大型予算の研究プロジェクトになると、研究の進行を監督し、アドバイスする人を配置する。そのアドバイザーになったことがある。 そのプロジェクトは、早い時点で計画が破綻していた。そのためか、全員が頭真っ白になっていることがよくわかった。もうどうしたらよいかわからない。 申請書には開発不可能とされた技術をいかに開発するか、見事な実験計画が描かれていた。しかし早い段階で「考えていた方法では開発は無理」なことが明確になった。何せ、計画には、自分たちが最善と思った方法を列挙してある。それがうまくいかなかったら、もうそれ以上アイデアがなかった。 みなさんの発表を見てると、計画に書いた方法から大してはみ出てない実験ばかり。もはやうまくいく方法を探すというより、三年間ももらえてしまう予算に見合うだけの実験はしましたよ、という言い訳をするための実験ばかり。「こんなにたくさん実験しましたけどダメでした」と、許して

    創造性を奪う競争的資金|shinshinohara
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    toraba 2021/11/23
    ビジネスマン「研究者はPDCAサイクルが働いておらず、役に立たないことばかりしている。プラプラ遊んでいるようなものだ」https://youtu.be/Eb6JF3fjmaQ?t=2160
  • なぜ日本は化学農薬を手放せないのか|shinshinohara

    私は有機水耕を開発するくらいなので、有機農業が日でも広まってほしいと思う反面、化学農薬を使う慣行農業にもやむを得ない事情があると考えている。理由は、「日はあまりに高温多湿だから」。 ヨーロッパは有機農業の先進国。アメリカも意外に有機農業が盛ん。そして実は、中国は今や有機農業大国。なのに日は有機農業はわずか0.5%(耕地面積)。有機農業が一向に進まず、化学肥料・化学農薬を使った慣行農業が大部分を占めている。それは、欧米や中国と違って高温多湿だから。 欧米や中国は大陸性の気候。ざっくり言うと、湿度が低く気温も低め。すると、虫がそもそも少ない。農作物をダメにする病原菌も少ない。湿度が低く気温が低い条件は、有機農業が容易。だって、虫や病気の発生が少ないから。 日はそうはいかない。代表的なのは梅雨の時期。雨がずーっと降る。しかもそこそこ高温。高温多湿は虫とカビにとってパラダイス。虫がいくらで

    なぜ日本は化学農薬を手放せないのか|shinshinohara
    toraba
    toraba 2021/10/29
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