歪んだ世界に響く刹那と情緒に刻まれた詩、 インスピレーションを突き刺す鋭角サウンドの渦潮 凛として時雨が放つ『Feeling your UFO』以来となる作品集『Inspiration is DEAD』で奏でられる音楽は、聴き手の感受性を激しく刺激すると同時に映像喚起力を著しく増幅させるものだ。憤りと悲鳴にも似た轟音と凍てついた静寂の狭間を自由に行き来するその鋭利なサウンドはまさに変幻自在、その詩とメロディを捕らえようとすると掌の隙間から瞬く間にすり抜けていく。それは彼らの発する肉声にも同じことが言えて、凛として時雨の音楽の本質を見極めようとすればするほどその本質から遠く懸け離れていくかのようだ。このインタビューが『Inspiration is DEAD』を聴く上で格好のサブテキストになれば幸いだが、結局のところ実際にあなたの耳で判断してもらうほかない。その折には、聴覚を際限まで研ぎ澄ませ