わたしは、思春期とか反抗期とか(いまもそうなのかもしれない)、そういういかにも人格の形成に関わる時期に、会えもしないひとにこいしていたのがいけなかったのかもしれない。 会えなくなってしまったすきなひとは、会えたころのすきなひととは、ぜんぜんちがう存在をしはじめるのです。会えたころはかんじた、にんげんくささ たいおん こえ ひょうじょう は徐々に消えていくのです。会えなくなってしまったすきなひとは、わたしの頭の中で、人間らしさを無くし、まるでなにかのキャラクターのようになりました。キャラクター化してしまったすきなひとは、わたしの思い通り、理想通りに、わたしの頭の中を占領しました。だって会えなのだから、すきなひとはわたしの好き勝手に膨らんだし、いつまでもかんぺきにかっこよかったのです。人間味を欠いているという以外は、わたしの脳内のあなたは、かんぺきだったのです。 そんな実在のない、肉のない、キ