大学に後ろ向きなあなたへ 大学は、本来、人を教育するところです。ところが長いこと、大学とは優秀な人間を送り出すところだと思われてきました。 この違いがお分かりでしょうか。優秀な人間を送り出す、もっとも手っ取り早い方法は、最初から優秀な人間を集めてくることです。大学の教育によって優秀な人間を作るということは、難しいことです。大学の資源が限られているだけでなく、学生の生活に対して大学の口をはさめることは限られているからです。学生の自主性に待つ、といえば聞こえはよいのですが、自分で育つ学生をどれだけ多く抱えているかで大学の卒業生の評価が決まる、というのが、長い間日本の大学の実態であったと思います。もちろんこれは、どのグループにもぐりこめるか、という入り口での激しい受験戦争と表裏一体になっています。 ところが最近、社会の雲行きが変わってきました。少子化による大学のダブツキがそのきっかけになったのは