昨年、高瀬俊英(60歳)はガンを患い、胃を全摘出する手術を受けた。術後も抗ガン剤による治療を受けなければならず、絶対安静の毎日が続いた。しかし、高瀬はドクターや家族の目を盗み病院を抜け出し、抗ガン剤治療で意識も朦朧とする中、時間の許す限り「森」に向かった。自らの時間と財産を注ぎ込んで作りあげた「エスカルゴの棲む森」へ。 高瀬は、三重県松阪市で鉄工所を営んでいる。いつもジャンパーにジャージ姿。どこから見ても由緒正しい「鉄工所のおやじ」の風情だ。しかし、彼こそが世界で初めて「ポマティア(ブルゴーニュ種エスカルゴ)の養殖」に成功した人物である。 フランス料理に使われる高級食材として知られるエスカルゴ。本場フランスでは年間3万~4万トン消費されており、日本でいう“マグロ”のような存在だ。中でもブルゴーニュ種のポマティアは最高級のエスカルゴとされており、本来「エスカルゴ」とはフランス原産のポマティア
![最高級エスカルゴは、三重の鉄工所のオヤジが作る:日経ビジネスオンライン](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/05f492a9ba706b05ca8fd61b1840b099fb59fdc9/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fbusiness.nikkeibp.co.jp%2Fimages%2Fn%2Fnbo%2F2011%2Fcommon%2Fnbologo_ogimage.png)