日常会話の「間」など秒単位で動作を遅らせる際、脳の中では2種類の細胞が働いて「間合い」を取っていることを、東北大大学院医学系研究科の虫明元教授(生体システム生理学)と玉川大脳科学研究所の丹治順所長らの研究グループがサルを使った実験で突き止めた。 脳細胞が間合いの間隔をつかむ仕組みを解明したのは初めて。時間の「ため」は人間のコミュニケーションに必要で、介護ロボットの開発などに応用が期待できるという。 グループは、サルに2秒、4秒、8秒の待ち時間を別々の色で覚えさせ、該当する秒数のキーを押す作業をさせた。 作業時の脳の活動状態を調べたところ、前頭葉の内側にある「前補足運動野」で、時間の長さを特定する「A細胞」と、時間によって活動の大きさを変える「B細胞」が見つかった。 A細胞はデジタル時計のように数値で時間を識別する。B細胞は砂時計のようにアナログ的に時間を計る。脳はデジタルとアナログ