参院戦の騒ぎに隠れてしまったきらいがあるが、中国で22日、名目上は日本の海上保安庁に相当する「海警局」が発足した。それだけ聞くと、「中国にだって海上保安庁があっても不思議ではないでしょう」といった印象も持つ日本人もいるだろうが、もう少し深い意味がある。というのも、そういう印象の人には、「そもそもこれまで中国に海上保安庁がなかったのか」という疑問を投げかけてみてもいい。 もちろんこれまでの中国にも海上保安庁に相当する国家機能は存在していた。通称「五龍」と呼ばれる、公安部公安辺防海警総隊(海警)、農業部漁業局(漁政)、国土資源部国家海洋局中国海監総隊(海監)、交通運輸部中国海事局(海巡)、海関総署密輸取締警察(海関)の五機関である。 尖閣諸島海域関連では、なかでも農業部漁業局の漁業監視船、国土資源部国家海洋局中国海監総隊の海洋監視船がうろついていた。だが、そのように管轄が異なっていた各組織が今