新聞を配置する寺田小の図書館。学校図書館司書が新聞の読み方を解説する掲示を手がけるなど、児童の興味を引く工夫をしている=八幡平市西根寺田 学校に新聞を配置し、教育に活用する動きが県内の学校で拡大している。岩手日報社のまとめでは、本年度、30市町村が小中学校に配置。図書館への配置費用を本年度当初予算に計上した自治体は14市町村で、昨年度より6市町村増えた。学力向上や主権者教育、時事的な題材の学びに新聞は効果的とされ、26、27日にはNIE全国大会盛岡大会が開かれるなど、新聞学習の機運が高まる。一方、本県の図書館司書の配置率は低水準のままで、新聞の効果的な活用を促すため、改善が求められる。 八幡平市は本年度から、全14小中学校に配置するための費用71万円を計上した。同市西根寺田の寺田小(千葉千穂子校長、児童62人)では、新聞を図書館内のホルダーに設置。児童の興味を引くよう、学校図書館司書が新聞
県内の公立高で、学校司書の配置が進んでいない。文部科学省によると2016年度の配置校は21・5%で、全国の66・9%を大幅に下回る。県教委は限られた財源の中で教員や事務職員の確保を優先しており、図書館業務は障害者採用の校務補助員を増員して充てる方針。障害者の雇用拡大につながる一方、専門家は一層の教育支援に向け、司書資格の取得などスキルアップの態勢充実を訴える。 陸前高田市の高田高(須川和紀校長、生徒438人)の図書室は、昼休みになると本の貸し出しや返却をする生徒でにぎわう。脚が不自由で図書館業務を担う校務補助員の阿部信子さん(48)が、色とりどりのポップ作りや配架の工夫など生徒が本に親しみやすい環境づくりを進めている。 国は同校など12学級以上の学校に司書教諭の配置を義務付けているが、県内では学級担任との兼務も多い。同校の千葉由美子司書教諭(45)は「人がいると生徒が訪れやすくなる。利用を
公立図書館に置く雑誌の表紙に企業や個人事業者の広告を掲載する代わりに購入費を負担してもらう「雑誌スポンサー制度」。奥州市は2014年度から導入し、四つの市立図書館で計43誌が配架されている。雑誌が充実することで、さまざまな最新情報を利用者に提供でき、スポンサーとなる地元企業の情報発信にもつながっている。 同市前沢七日町裏の市立前沢図書館(小野寺正幸館長)で今月上旬、新たに5誌の引き渡し式を実施。市内の5企業・団体が1誌ずつを寄贈した。 介護情報誌を寄贈した同市前沢塔ケ崎の社会福祉法人つつじ会の関笙子(しょうこ)理事長(70)は「今後ますます重要になってくる介護分野について考えるきっかけになれば」と期待する。
大槌町が同町末広町に復興のシンボルとして建設した町文化交流センター「おしゃっち」は6月10日開館する。町民の文化交流の拠点で、東日本大震災後移住した人たちと住民が触れ合う場。隣には町議会で解体予算案が可決された旧町役場庁舎があり、将来的には庁舎の遺物を保存することも検討している。 同センターは延べ床面積2216平方メートルの木造3階建て。1階に定員約140人の多目的ホール、3階に町立図書館を開設。2階には会議室や震災伝承室を設け、震災後の町の状況や復興の歩みを伝える。 県産木材を50%使い造られた施設と駐車場(76台)の工事は3月末までに終了。6月10日は開館式を行い、指揮者の佐渡裕さん、ピアニストの西村由紀江さんらと町民楽団による合同コンサートを開催する。キッチンカーの出店が並び、地元の郷土芸能披露でオープンを祝う。
陸前高田市高田町のかさ上げした中心市街地に7月に開館した市立図書館(戸羽良一館長)は9日、開館後初のおはなし会を開いた。震災後は狭い仮設施設だったため開催できずにいた。久々の恒例イベントに協力したボランティアグループや子どもたちに笑みが広がった。 同市のボランティア団体おはなしペパン(馬場幸子代表)が協力。親子ら約20人に「つきよのかいじゅう」「まちにはいろんなかおがいて」など5冊を読み聞かせて紹介した。 同団体は震災前、約20年にわたり図書館で「ペパンおはなし会」を開催。震災後は保育園や小学校に出向いて活動していた。馬場代表は「ゼロからのスタートだが再開できてうれしい。開放的で良い図書館ができたので、今後も工夫を凝らしながら定着させたい」と意欲を語った。 【写真=本設図書館で初めて開催したおはなし会で、絵本に見入る子どもたち】
陸前高田市高田町の市立図書館(戸羽良一館長)は7月20日の本設施設利用開始から1カ月の来館者が延べ2万人に上り、幸先良いスタートを切った。大型商業施設アバッセたかたに隣接する利便性の良さから幅広い年代が来館し、随時開催している本に親しむイベントも好評。津波で大きな被害を受けかさ上げした中心市街地のにぎわいをけん引していく。 新図書館は正面玄関やアバッセ側の通路など出入り口が3カ所ある。延べ2万人超の半数以上がアバッセ側から来館しており、買い物客が図書館にも立ち寄っている「相乗効果」が見て取れる。 柱に県産カラマツ、床には気仙スギをふんだんに使った木造平屋の館内は、ウッドデッキの読書テラスが人気。さまざまな年代が読書を楽しみ、児童生徒のグループが勉強に集中している。復活後、塗り絵のワークショップや絵本の表紙を使ったエコバッグ作りなどを繰り広げてきた。 【写真=木のぬくもりあふれる陸前高田市立
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