教科書で一通り学んだり、現地を経験したりして、もっと深く東南アジアのことを知りたいと思った学生さんに向けて作ったのが、このブックガイドである。初歩的な知識や体験からもう一つジャンプして、学問として東南アジアを学ぶための小さな跳躍台のようなものである。 各解題が対象とするのは、東南アジア研究では古典になっている本の中でも、日本語で書かれたものと、日本語訳があるものである。最新の研究成果ではないが、長い年月の風雪に耐え、現代になっても読む価値を認められている古典的な仕事である。のちの研究によって乗り越えられたものもあるが、研究史の中で知っていなければならない本ばかりで、読んで損をする作品は一つもない。 で、とりあえずの15冊。自然、歴史、政治、社会、経済といった視点から東南アジアをみられるように、各分野の古典を選んだ。すべての分野に精通することは無理だとしても、一通り知っておくと自分の専門とす