花粉量がゼロか微量の「花粉症対策杉(対策杉)」の苗木の生産量が近年、急増していることが12日までに分かった。林野庁によると、2016年度の生産量は、前年度比25%増の533万本に達し、同年度の杉苗木に占める割合は25%に上った。苗木の元になる、枝先や種子を供給する成木が増えたことで、苗木の増産ペースが加速している。一方、植林面積に換算すると、国内の杉の人工林面積の0・1%に満たず、取り組みの一層の推進が求められる。 対策杉には、花粉を作る雄花がほとんどできない「少花粉型」や、雄花を付けるが花粉を全く作らない「無花粉型」などがある。一般的な杉と比べて、苗木の成長の早さ、材木の品質に差はない。 花粉症への対策を進めようと、国内では1999年度に植林用の苗木生産が開始。苗木の生産量は06年度までは微増傾向だったが、07年度以降は毎年、大幅に伸びており、16年度は2年前の2倍、4年前の3倍に上る。