7月末の記録的豪雨で被災した南魚沼市の雲洞庵(うんとうあん)にあった史料の乾燥作業が、長岡市の県立歴史博物館で進められている。11日は、泥が付いたり、カビが発生したりした古文書や掛け軸などを、同館職員が屋外の日陰で汚れを落として乾かした。同館は、被災した史料をむやみに捨てないよう呼び掛けている。 雲洞庵は泥水や石が流れ込み、19日まで拝観を中止している。宝物殿はほぼ無事だったが、下部にある倉庫に泥水が押し寄せ、江戸時代末期の史料や数代前の住職ゆかりの書類など多数が水に漬かった。このため作業を依頼した同館に9日、史料を搬入した。 同館は中越地震と中越沖地震で民俗資料などの救済に尽力。東日本大震災や新潟・長野県境地震でも職員が被災地に赴いて文化財保全に携わった。 11日は職員が紙と紙が張り付いた巻物を、ピンセットで少しずつはがしながら開き、紙で水分を吸収。カビの拡大を防ぐにはエタノールを