今年の3月18日から台湾の学生によって続けられている国会(立法院)議場の占拠は、1980年代後半にはじまった台湾民主化(軍政から民政への転換)以来の大事件です。これには経済的な、そして政治的な理由がいくつかあります、出版業の視点から、簡単に説明してみます。 この事件の原因としては、おおよそ以下の三点が挙げられます。 国民党議員により強制的に行われた、台・中サービス貿易協定を批准する法案の国会での不投票通過という手段への反対。 中国の統戦(台湾統合に向けた経済・情報戦略)と自由貿易が繋がることによる弊害に対する懸念。 WTO加盟(2002年)以来つづいている、経済自由化そのものへの反対。 サービス貿易協定の批准に抗議する学生たち。手にしているのは、オルダス・ハクスリーの『すばらしい新世界』とフランツ・ファノンの『黒い皮膚・白い仮面』。 国会占拠事件の発端 台湾と中国の関係は特別です。台湾海峡
エイプリルフールだということに気づく間もなく終わってしまった4月1日だけれど、NPRのネタが上手にメッセージを発信しているなと思ったので紹介するね。 NPRというのは、アメリカの有名なニュース組織。彼らがエイプリルフールに投稿した記事のタイトルは、「なぜ、アメリカ人は読むことをやめてしまったのか」。 それに対して、「んなことないし、いつも読んでるし!」っていうコメントが即座に集まった。でもね、ちゃんと記事の本文を読んでいれば、そんなコメントにならないはずなの。なぜなら、こう書いてあるから。 「おめでとう。正当な読者の皆さん。ハッピーエイプリルフール!」 多くの人が、実際の記事を読まずに、Facebookなどで流れてきた記事のタイトルだけでコメントをしていることを指摘することが目的だったというわけ。まともに記事を読んでもいないのに、どうやってそんなに堂々と、熱く意見を述べられるの?って。 た
2014年4月2日、米国下院の司法委員会の小委員会、Intellectual Property, and the Internetで、著作物の保存と再利用についての公聴会が開催されました。 コロンビア大学図書館のJames Neal氏が図書館を代表して、声明を発表したとのことです。この声明は、図書館著作権同盟(Library Copyright Alliance:LCA)の承認を受けており、米国著作権法108条の図書館の例外規定やフェアユースの柔軟な権利を含む既存の法的枠組みはよく機能しており、修正の必要はないとしているとのことです。(1)図書館による保存の重要性、(2)フェアユースと108条の附則である図書館の例外規定、(3)孤児著作物の法制化の必要性の低下、(4)HathiTrustへの見解、の4つの論点について述べられているとのことです。 Columbia’s James Neal
3月16日付け、『赤旗日曜版』にインタビューが掲載されました。 こちらには少し加筆したロングバージョンを転載しておきます。 安倍晋三首相は本音はもちろん改憲して、憲法9条を廃棄したい。だが、それはアメリカ政府の強い抵抗があって実現がむずかしい。それゆえ、アメリカの軍事活動を支援するという、アメリカから正面切って反対できない口実を掲げて、解釈改憲による「集団的自衛権」の行使容認を持ち出してきたのです。 しかし、日本が集団的自衛権を行使するというのは、政治史的に見てありえない想定です。 集団的自衛権は、同盟国が武力攻撃を受けたとき、国連が介入するまでの緊急避難的な措置として認められた権利ですが、実際にそれを行使したのは軍事的超大国ばかりです。米ソのような超大国が自国の勢力圏で起きた反政府運動、独立民主化運動を弾圧するためにこの権利を行使しました。 これまで集団的自衛権が行使された実例を見ればわ
松山市中心部の銀天街商店街で半世紀余り親しまれてきた古書専門店「坊っちゃん書房」が今月末、閉店する。大手古書チェーンの進出による客離れなどが原因という。松山の活字文化を支えてきた老舗の幕引きを惜しむように、店には常連客らが次々と駆けつけている。 1961年、現社長の佐伯喜朗さん(59)の父晋一さん(88)が店を開いた。名前はもちろん夏目漱石の同名小説から取った。入り口すぐのガラス棚には漱石の自筆原稿など貴重な文献が並ぶ。品ぞろえは、郷土誌から漫画本まで幅広く、約5万冊が棚からあふれるように積まれている。 約30年前に喜朗さんが店を継いで以降、売り上げ下降線をたどった。郊外に大手古書チェーンが店を構え、特に若い学生らの姿が減ったという。「おやじの店をつぶしたらいかん」と踏ん張り、5年ほど前にネット販売にも乗り出した。しかし、こちらの競争も激しく、店全体の売り上げは継いだ当時の半分ほどに減って
ア・ピース・オブ・警句 日経ビジネスオンラインにてちょっとだらしなく長いコラムを連載中。毎週金曜日更新です。 キス・ユア・アスリート webスポルティーバ@集英社にて週一更新のスポーツコラムを開始しました。更新予定日は毎週金曜日です。 ラジオデイズ ラジオデイズという、ポッドキャストのダウンロードサイトで、対談のコンテンツを販売中です。よろしくよろしく。 コラム道 週イチ更新で、コラムのコラムを連載しています。いつの日にか書籍化します。更新は火曜日の予定。 テレビ救急箱 08年4月10日初版発行。中公ラクレ新書(770円+税)です。よろしくよろしく。 1984年のビーンボール 07年7月25日初版発行。駒草出版(1500円+税)です。よろしくよろしく。 サッカーの上の雲 07年1月30日初版発行。駒草出版(1400円+税)です。よろしくよろしく。 テレビ標本箱 06年11月10日発行。中央
academy hillsから送られてきた書類。 返送用の封筒の「梅」の花を見ていて、ふと気がついた。 「切手って82円だっけ?」 どうやら4月から消費税増税でそうなるらしい。 つまり、「返送が月をまたいでも大丈夫ですよ」という言葉のない気遣いの現れなのだ。 そして、返送する相手の心をちょっとなごます梅の花。 「おもてなし」は何もホテルとレストランの専売特許ではない。 日常のあらゆるところに自然と出てくるものであり、それを感じとって愛でるのが日本人の粋だ。 そして、最近ではそれを愛でる日本人のハートを持った人は、日本だけではなく世界中に誕生し、 日本を訪れては、我々が当たり前と見過ごしている小さなこと1つ1つにいたく感動している。 このことをFacebookに投稿したら、こんな返事があった。 「質量とサイズなどで切手料金シールが自動的に出力される機械が総務に」あって、それが使われているとい
2014年2月28日(金)に学会『インタラクション2014』の昼食休憩時間を使って、女性研究者が集まるランチ会、『Women’s Luncheon』を企画・開催しました。 インタラクション業界は女性も比較的活躍している分野なのですが、これまで女性同士の交流会というのはあまり行われていませんでした。女性のキャリアデザインや家庭と研究との両立についてなど、幅広い意見交換が行える場として企画し、今年で2回目。 今年はゲストに、土井美和子さん(東芝研究開発センター首席技監)と、荒瀬由紀さん(Microsoft Research Asia 研究員)のお2人をお呼びして、トークをしてもらいました。その模様を、2回にわけてお届けしたいと思います。 第1回目の今回は、土井さんがご自身の今までを振り返り、企業や大学で研究していくときに身に付けてきた、3つの壁の破り方についてご紹介したいと思います。 常に「前
ニューヨーク(CNNMoney) 今から25年前、英科学者ティム・バーナーズ・リー博士が提案した「情報管理システム」の構想に、上司が返したのは「漠然(ばくぜん)としているがおもしろい」という簡単なコメントだった。この提案がインターネットの誕生につながるとは、だれが予想しただろう。それ以来、ネットの発展を巡って飛び交ったさまざまなコメントのうち、大外れの結果となった5つの予言を振り返る。 予言1:スパムは2年以内に消滅する(米マイクロソフト創業者ビル・ゲイツ氏、2004年) 受信者の迷惑を顧みず、一方的に大量送信される広告などのスパム・メール。ゲイツ氏はこの年の世界経済フォーラムで、2年以内の撲滅を宣言した。 マイクロソフトの対策として(1)スパム防止フィルターを設定する(2)人間にしか解けないパズルを発信者に解かせる(3)受信者がメールを拒否した場合は発信者に料金を課す――という案を挙げ、
関西圏の図書館関係者(館種問わず)を中心にした、図書館史の勉強会(読書会)です。2010年3月発足。図書館史に関連する情報なども随時掲載(したい)。 第22回勉強会(2014年3月29日)報告 「公立図書館司書検定試験」 日時:2014年3月29日(土) 14:00-17:00 会場:京都商工会議所 第二会議室 発表者:岡田大輔氏 参加者数:11名 当日の出席者によるtwitter上のつぶやきをまとめたものはこちら 0.発表のきっかけと目的 ・もともとの関心の方向は歴史というより、司書養成のカリキュラムや試験制度。 ・国立国会図書館デジタルコレクションで、『全国小学校教員試験問題及解答 尋常科正教員教育科』という明治時代 の資料を見つけた。興味深いのは模範解答が載っている点。解答があることにより出題の意図や、どういう答えが求められているかが分かる。しかしこの中に図書館に関する問題は出てこな
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