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ブックマーク / bokyakusanjin.seesaa.net (51)

  • 最近の研究論文・研究書から: 忘却散人ブログ

    わすれもの、うせものがたえない毎日を送る忘却散人(飯倉洋一)のブログです。2008年3月スタート。日近世文学。 軽い読み物として、推敲もなしに書いていますので、学術論文などへの引用はお控えください(どうしてもという場合は、事前にコメント欄にでもご連絡下さい)。エッセイなどでの引用やSNSなどでのリンクはご自由にどうぞ。 井口洋「室の八嶋・日光・裏見の滝―奥の細道発句存疑―」(『ビブリア』137、2012年5月)。先生がこのシリーズを書き始めてもう何年に?、あるいはもう何作目になるのだろう。一貫しているのは中尾『奥の細道』文が芭蕉自筆であることへの疑いである。 ハルオ・シラネ氏ほか編『世界へひらく和歌―言語・共同体・ジェンダー』(勉誠出版、2012年5月)は、日英両語で書かれたバイリンガル版。俳句に比べて、グローバルとは言えない和歌を世界に開くために、コードとしての和歌言語、和歌の社会

  • 古典籍研究ガイダンス: 忘却散人ブログ

    わすれもの、うせものがたえない毎日を送る忘却散人(飯倉洋一)のブログです。2008年3月スタート。日近世文学。 軽い読み物として、推敲もなしに書いていますので、学術論文などへの引用はお控えください(どうしてもという場合は、事前にコメント欄にでもご連絡下さい)。エッセイなどでの引用やSNSなどでのリンクはご自由にどうぞ。 国文学研究資料館の基幹研究プロジェクト「王朝文学の流布と継承」チームによる成果として、『古典籍研究ガイダンス 王朝文学をよむために』(笠間書院 2012年6月)が刊行された。 プロジェクトの成果ゆえ、「王朝文学を読むために」という副題がついているが、古典籍(和古書)を扱う研究者・大学院生は、必読必携といってよい。とくにpart2の「をみる・さがす」は、最新の研究に即した、最新の情報収集ツールが紹介されている。 そして、執筆者によっては、新しい知見と、秘術ともいうべき情報

  • 岡田柿衞、俳書収集の足跡: 忘却散人ブログ

    わすれもの、うせものがたえない毎日を送る忘却散人(飯倉洋一)のブログです。2008年3月スタート。日近世文学。 軽い読み物として、推敲もなしに書いていますので、学術論文などへの引用はお控えください(どうしてもという場合は、事前にコメント欄にでもご連絡下さい)。エッセイなどでの引用やSNSなどでのリンクはご自由にどうぞ。 伊丹の柿衞文庫で会議に出た後に、開催中の小企画展「没後30年、岡田柿衞 人と資料と研究と」を観る。この企画を担当したNさんに解説していただく。この展示は、非常に面白い。 岡田利兵衛(号柿衞)は、伊丹の酒造家にして、町長・市長も務める傍ら、俳書を収集し、優れた研究を遺した人物で、柿衞文庫の創設者。今回の展示が面白いのは、連歌俳諧資料を収集するたびにつけていた記録「俳人遺墨帳」と「書籍帳」が展示されていること。そこには、購入した店の名と購入価格も記されている。たとえば、昭和3

    tsysoba
    tsysoba 2012/06/10
    むう、また行きたい…
  • 板木と和本に関する研究会: 忘却散人ブログ

    わすれもの、うせものがたえない毎日を送る忘却散人(飯倉洋一)のブログです。2008年3月スタート。日近世文学。 軽い読み物として、推敲もなしに書いていますので、学術論文などへの引用はお控えください(どうしてもという場合は、事前にコメント欄にでもご連絡下さい)。エッセイなどでの引用やSNSなどでのリンクはご自由にどうぞ。 立命館大学アートリサーチセンターで行われた、板木をめぐる研究集会。2日目(5日)に参加。 中野三敏先生の「和リテラシー」の講演。御趣旨は何度もうかがっているが、明治33年に、ひらがなが一音一字に統一されたことから、和リテラシーの衰退がはじまったという話は初耳だった。 中野先生と並ぶ和啓蒙者の橋口侯之介氏のお話も初めてうかがった。 アートリサーチセンターの版木研究者の金子さんの話もマニアックで面白く、高木元・鈴木俊幸・廣瀬千紗子各氏の発表も、和の面白さを存分に伝える

  • 『江戸の文学史と思想史』続: 忘却散人ブログ

    わすれもの、うせものがたえない毎日を送る忘却散人(飯倉洋一)のブログです。2008年3月スタート。日近世文学。 軽い読み物として、推敲もなしに書いていますので、学術論文などへの引用はお控えください(どうしてもという場合は、事前にコメント欄にでもご連絡下さい)。エッセイなどでの引用やSNSなどでのリンクはご自由にどうぞ。 『江戸の文学史と思想史』の話を続ける。 池澤氏に続いて田中康二氏。「国学」と題するが、要は「宣長問題」である。宣長を対象とするだけに「架橋」で新味を出すのは難しい。最初の研究史は、宣長研究の拠点形成史というスタイルであるが、インパクトはいまいちか。論では『玉鉾百首(解)』でもって、文学史と思想史をつなごうとするが、これも狙いが透けて見えて、論は予想通りの展開である。『玉鉾百首解』の諸調査に基づく流布状況のところでは書誌学用語の使い方に疑問が残る。とはいえ、宣長の和歌で

  • 江戸の文学史と思想史: 忘却散人ブログ

    わすれもの、うせものがたえない毎日を送る忘却散人(飯倉洋一)のブログです。2008年3月スタート。日近世文学。 軽い読み物として、推敲もなしに書いていますので、学術論文などへの引用はお控えください(どうしてもという場合は、事前にコメント欄にでもご連絡下さい)。エッセイなどでの引用やSNSなどでのリンクはご自由にどうぞ。 井上泰至・田中康二編『江戸の文学史と思想史』(ぺりかん社、2011年12月)は、刺激的なである。。池澤一郎・田中康二・川平敏文・井上泰至の60年代生まれ四人組による「挑戦状」(跋文)である。思想史研究に対する文学研究側からの挑戦状であるとともに、近世文学研究の現況に対する挑戦状でもある。かつて、40代(つまり60年代ということだ)に文学史を語らせるシンポジウムをやらせたら面白いのではないかというようなことを書いたが、それに近い試みが実現したことになる。 儒学(池澤)・国

  • 賀茂季鷹展: 忘却散人ブログ

    わすれもの、うせものがたえない毎日を送る忘却散人(飯倉洋一)のブログです。2008年3月スタート。日近世文学。 軽い読み物として、推敲もなしに書いていますので、学術論文などへの引用はお控えください(どうしてもという場合は、事前にコメント欄にでもご連絡下さい)。エッセイなどでの引用やSNSなどでのリンクはご自由にどうぞ。 京都市歴史資料館で、「京都市文化財指定記念 賀茂季鷹の文学」(平成23年11月19日から平成24年1月11日まで)展が行われる。以下はホームページからの引用。 1 会期     平成23年11月19日[土曜]から平成24年1月11日[水曜]まで 2 会場     京都市歴史資料館 1階展示室 3 内容     江戸中期から後期にかけての代表的歌人であり国学者の賀茂季鷹(かものすえたか)(1754~1841)が収集した古典籍資料が、平成23年に京都市文化財に指定されました。

  • 天理図書館近世文人自筆資料展: 忘却散人ブログ

    わすれもの、うせものがたえない毎日を送る忘却散人(飯倉洋一)のブログです。2008年3月スタート。日近世文学。 軽い読み物として、推敲もなしに書いていますので、学術論文などへの引用はお控えください(どうしてもという場合は、事前にコメント欄にでもご連絡下さい)。エッセイなどでの引用やSNSなどでのリンクはご自由にどうぞ。 天理図書館で開館81周年記念展「近世の文人たち―自筆資料にみるその人となり―」が開催中である。(11月6日まで) 昨日、論文ゼミの時間を利用して7名の学生とともに見学。大西さんが挨拶に来られ恐縮。50名の文人の自筆資料を一堂に展示する壮観なもので、見応え十分である。 はじめて見るものが多かったが、感銘を受けたものすくなからず。大平の恩頼図、真淵の『万葉考』、貞幹の『古瓦譜』は見とれます。学生も自分の研究している人物の自筆を見ることが出来た人が何人かいて、よかったようだ。

  • 先を見る: 忘却散人ブログ

    わすれもの、うせものがたえない毎日を送る忘却散人(飯倉洋一)のブログです。2008年3月スタート。日近世文学。 軽い読み物として、推敲もなしに書いていますので、学術論文などへの引用はお控えください(どうしてもという場合は、事前にコメント欄にでもご連絡下さい)。エッセイなどでの引用やSNSなどでのリンクはご自由にどうぞ。 ぎょうせいが「国語と国文学」を手放すという。もともと、なにかの義理で、至文堂から引き継いだのだろうから、これは仕方がない。ただ「国語と国文学」は東大の国語国文学会の学会誌的な機能も果たしているかと思うので(よく知らないが)、雑誌そのものが消えることはないのだろう。 それにしても、ここ10年の自分の論文リストを眺めて見ると、江戸文学・国文学・解釈と鑑賞・国語と国文学に投稿したものが8だった。書評をいれると、あと3つ4つ増える。依頼を受けて絞り出したものゆえ、出来の方は「?

  • 持ちより: 忘却散人ブログ

    わすれもの、うせものがたえない毎日を送る忘却散人(飯倉洋一)のブログです。2008年3月スタート。日近世文学。 軽い読み物として、推敲もなしに書いていますので、学術論文などへの引用はお控えください(どうしてもという場合は、事前にコメント欄にでもご連絡下さい)。エッセイなどでの引用やSNSなどでのリンクはご自由にどうぞ。 10人ほどがあつまり、自分の持っている典籍や書画を持ちよって感想を言い合う会が、某氏の呼びかけで某所で行われた。というとなにやらスゴイ集まりみたいだが、メンバーの半分は学生さんたちで、収書家といえるような人は、一人くらい?という気楽な会である。 こういう会に参加するのは初めてだったが、普段なかなか見られないものを見ることができ、それについて所蔵者から蘊蓄がきける。持ち込まれたものも、掛軸、巻き物、一枚もの、短冊、木活、朝鮮、板と多彩で、ジャンルも多様だったので、勉強に

  • 台湾大学の貴重書: 忘却散人ブログ

    わすれもの、うせものがたえない毎日を送る忘却散人(飯倉洋一)のブログです。2008年3月スタート。日近世文学。 軽い読み物として、推敲もなしに書いていますので、学術論文などへの引用はお控えください(どうしてもという場合は、事前にコメント欄にでもご連絡下さい)。エッセイなどでの引用やSNSなどでのリンクはご自由にどうぞ。 以前紹介したことがあったが、『国立台湾大学図書館典蔵日解題図録』(国立台湾大学図書館、2009年12月、実際の表記は旧漢字)を関係者のご好意により少し前に拝受した。 在外日古典籍の調査をずっと続けている九州大学の松原孝俊教授のプロジェクト(通称松原調査団)で、2000年度に中野三敏先生を中心に着手された日古典籍悉皆調査(調査人員のべ58名、滞在日数270日)によって2万冊が調査されたという。 その中から、中野先生が一人で選んだ貴重書118点が図録化されたものであ