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  • 大才子小津久足: 忘却散人ブログ

    わすれもの、うせものがたえない毎日を送る忘却散人(飯倉洋一)のブログです。2008年3月スタート。日近世文学。 軽い読み物として、推敲もなしに書いていますので、学術論文などへの引用はお控えください(どうしてもという場合は、事前にコメント欄にでもご連絡下さい)。エッセイなどでの引用やSNSなどでのリンクはご自由にどうぞ。 菱岡憲司『大才子小津久足』(中央公論新社、2023年1月)。 馬琴から「大才子」と称された、伊勢松坂の干鰯問屋(ほかに兼業いくつか・・・)小津久足をクローズアップ。小津を通して、これまであいまいだった「江戸時代」の一面、文化文芸に商人の果たした役割や意味を浮かび上がらせた快作である。読んで面白いのは文章力の確かさ。雑学庵を称した小津と同じく、並外れた読書力・咀嚼力で得た知見と、文学的なセンスがそれを可能にしている。 書第一章を読みつつ、次々に繰り出される専門書の引用に唖

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    tsysoba 2023/01/26
    菱岡憲司『大才子小津久足』(中央公論新社, 2023)の紹介。「久足の蔵書「西荘文庫」の形成と、蔵書交流ともいえるネットワークの詳細な解明」の章があるとのこと。気になる…
  • 芭蕉のあそび: 忘却散人ブログ

    わすれもの、うせものがたえない毎日を送る忘却散人(飯倉洋一)のブログです。2008年3月スタート。日近世文学。 軽い読み物として、推敲もなしに書いていますので、学術論文などへの引用はお控えください(どうしてもという場合は、事前にコメント欄にでもご連絡下さい)。エッセイなどでの引用やSNSなどでのリンクはご自由にどうぞ。 深沢眞二さんの『芭蕉のあそび』(岩波新書、2022年11月)。 帯に「芭蕉だって笑ってほしいに違いない」と、書中の文章を使ってコピー風に書かれている。古池に何匹もの蛙が飛び込んでいる図とともに。 芭蕉が、あまりにも真面目に、深刻に、崇高に解釈されてきていて、それは芭蕉の神格化には大いに意味があったのだろうが、芭蕉の作った句は、俳諧なのであって、そのベースは滑稽であったはず。そこを見過ごしては、来の芭蕉の面白さを見失いますよ、という立場で、深沢さんは芭蕉の句の〈あそび〉

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    tsysoba 2022/12/27
    「私たちが自然に覚えたアニソンみたいに、もう体に染み付いているような言葉の世界があり、それがなければ逆に芭蕉の〈あそび〉は理解できない」というのは、なるほど。
  • 追悼楊暁捷先生: 忘却散人ブログ

    わすれもの、うせものがたえない毎日を送る忘却散人(飯倉洋一)のブログです。2008年3月スタート。日近世文学。 軽い読み物として、推敲もなしに書いていますので、学術論文などへの引用はお控えください(どうしてもという場合は、事前にコメント欄にでもご連絡下さい)。エッセイなどでの引用やSNSなどでのリンクはご自由にどうぞ。 1冊のが送られてきた。『戯れる江戸の文字絵』(マール社、2022年11月)。十返舎一九の『文字の知画(ちえ)』という滑稽を紹介・解説したである。著者は楊暁捷(ヤン ショウジェ)さん。監修は板坂則子さん(専修大学名誉教授)。楊さんは、カナダのカルガリー大学で、長い間、日文学を教えてこられた方で、とくに絵巻・絵の研究にすぐれ、それをデジタル活用することに熱心に取り組んでこられた。このは、絵の中に文字を隠して忍ばせる文字絵の面白さを、懇切丁寧に解説し、くずし字学習の

    tsysoba
    tsysoba 2022/12/03
    楊暁捷先生が亡くなられたことをこれを読んで今ごろになって知りました。ご冥福をお祈りいたします。
  • 百人一首の撰者は藤原定家にあらず: 忘却散人ブログ

    わすれもの、うせものがたえない毎日を送る忘却散人(飯倉洋一)のブログです。2008年3月スタート。日近世文学。 軽い読み物として、推敲もなしに書いていますので、学術論文などへの引用はお控えください(どうしてもという場合は、事前にコメント欄にでもご連絡下さい)。エッセイなどでの引用やSNSなどでのリンクはご自由にどうぞ。 国文学研究資料館の創立50周年記念式典の基調講演で、田渕句美子さんは、『百人一首』の撰者が藤原定家ではないという内容の講演をされ、オンラインで公開されていたため、私も興奮しながら拝聴していた。文学史を塗り替えるこの衝撃的な説は、2020年に既に論文として発表されていたようであるが、この基調講演ではじめて知った人も多かっただろう。私も噂には聴いていたが、元の論文を読んでいなかった。しかし、この説はまだまだ知られていないだろう。なにしろ、教科書の文学史を書き換えなければならな

    tsysoba
    tsysoba 2022/09/11
    定説を覆す、田渕句美子氏の研究の紹介。面白そう。
  • 三河に岩瀬文庫あり: 忘却散人ブログ

    わすれもの、うせものがたえない毎日を送る忘却散人(飯倉洋一)のブログです。2008年3月スタート。日近世文学。 軽い読み物として、推敲もなしに書いていますので、学術論文などへの引用はお控えください(どうしてもという場合は、事前にコメント欄にでもご連絡下さい)。エッセイなどでの引用やSNSなどでのリンクはご自由にどうぞ。 塩村耕さん。このブログでも何度かご登場いただいている。塩村さんの人生をかけた一大仕事といえば、岩瀬文庫の悉皆書誌調査である。愛知県西尾市にあるこの岩瀬文庫、知る人ぞ知る、くせもの揃いのが山のようにある、岩瀬弥助旧蔵の文庫である。塩村さんは2000年から、この文庫の悉皆調査をはじめた。来年調査完了だという。とにかく近世文学の研究を格的にやりはじめると、ここの文庫にどうしてもお世話になることになる。稀・珍ぞろいである。展示や書籍で発信してこられ、また西尾市が「のまち

  • 国際ワークショップ「デジタル文学地図の試み」のご案内: 忘却散人ブログ

    わすれもの、うせものがたえない毎日を送る忘却散人(飯倉洋一)のブログです。2008年3月スタート。日近世文学。 軽い読み物として、推敲もなしに書いていますので、学術論文などへの引用はお控えください(どうしてもという場合は、事前にコメント欄にでもご連絡下さい)。エッセイなどでの引用やSNSなどでのリンクはご自由にどうぞ。 国際ワークショップ「デジタル文学地図の試み」をきたる13日、大阪大学で開催いたします。 「デジタル文学地図」は、日の詩歌や紀行文・物語・名所図会などにおける歌枕・名所をデジタル地図の形で表示し、歌枕・名所にまつわる文化的、詩歌的な意味を記録して、日の歌枕・名所とその意味合いをデジタル地図で辿るデータベースを作成する試みです。 ハイデルベルク大学エクセレンス・イニシアチブの助成を得て、このプロジェクトを推進していらっしゃる、同大学日学科教授ユディット・アロカイ先生のチ

  • ドイツの大学における教育と研究について考えたこと(補訂版): 忘却散人ブログ

    わすれもの、うせものがたえない毎日を送る忘却散人(飯倉洋一)のブログです。2008年3月スタート。日近世文学。 軽い読み物として、推敲もなしに書いていますので、学術論文などへの引用はお控えください(どうしてもという場合は、事前にコメント欄にでもご連絡下さい)。エッセイなどでの引用やSNSなどでのリンクはご自由にどうぞ。 以下は、9月5日~7日に行われた研究室旅行のパンフレットに寄稿した文章をアップする。一部補訂している。ドイツ滞在中は非常にいい気分で仕事ができたので、いいイメージを持っているが、ドイツにはドイツの抱えている問題がもちろんある。それを忘れてはならない。 □わずか四ヶ月余りではあるが、ドイツのハイデルベルク大学で、二つの授業科目を一セメスター(十五回)担当し、何度か研究集会に参加し、一度は発表もさせていただいた。そこで、教育と研究のことについて、私が知り得たこと、考えたことを

  • 慶応大学斯道文庫の無料オンライン講座: 忘却散人ブログ

    英国のオンライン教育配信事業体であるFuture Learnで、斯道文庫の佐々木孝浩さんと一戸渉さんによる講義「Japanese Culture Through Rare Books」が、7月18日より公開、配信される。全3回(3週間)で、斯道文庫所蔵資料のほか、慶應義塾図書館所蔵資料の画像を多く取り上げるという。現在受講登録受付中。言語は日語(英語字幕)で、受講者同士でのディスカッションは英語で行われるとのこと。受講料は無料。この講義のページでは、佐々木さんの英語による授業紹介を動画でみることができる。世界の(もちろん日をふくむ)日古典文学研究者にお勧めする。講義ページ、登録申請はこちら。

    tsysoba
    tsysoba 2016/07/12
    英語字幕ありとのこと。
  • 江戸の医学書は「文学」だった: 忘却散人ブログ

    わすれもの、うせものがたえない毎日を送る忘却散人(飯倉洋一)のブログです。2008年3月スタート。日近世文学。 軽い読み物として、推敲もなしに書いていますので、学術論文などへの引用はお控えください(どうしてもという場合は、事前にコメント欄にでもご連絡下さい)。エッセイなどでの引用やSNSなどでのリンクはご自由にどうぞ。 福田安典さんの『医学書のなかの「文学」』(笠間書院、2016年5月)を拝受した。 医学的な立場から文学作品を分析したり、病気の面からある文学者の質に迫ろうとしたり、そういった研究やエッセイはこれまでもあった。しかし。文学研究の立場から、医学書の中に「文学性」を見るとか、文学書が医学書の擬態をとるとかいう視点で、1冊にまとめられたというのは、書がはじめてであろう。一般向けにも十分面白い。そういう装丁と価格設定でもある。文章は軽快なあの福田節である。 国文学研究資料館の

  • 雅俗小径: 忘却散人ブログ

    中野三敏先生の傘寿を記念する小冊子『雅俗小径』(雅俗小径刊行会、非売品)が、昨年末、傘寿祝賀会において披露され、関係者に配布された。執筆者は、中野先生のご講筵に連なる者、雅俗研究会のメンバー併せて25名。宮崎修多序(擬古文)、研究余滴編は板坂耀子さんほか、懐旧雑記編は白石良夫さんほか、これはほぼ同数。編者の川平敏文さんがあとがきを書かれている。『雅俗』会員には配布されるとか聞いたような気もするがよく知らない。研究余滴の中にも懐旧的な内容が含まれたりしており、読んで楽しいものである。私は「時代の先をゆく中野先生」と題して書いた。

  • 可能性としての古典籍(2日目): 忘却散人ブログ

    わすれもの、うせものがたえない毎日を送る忘却散人(飯倉洋一)のブログです。2008年3月スタート。日近世文学。 軽い読み物として、推敲もなしに書いていますので、学術論文などへの引用はお控えください(どうしてもという場合は、事前にコメント欄にでもご連絡下さい)。エッセイなどでの引用やSNSなどでのリンクはご自由にどうぞ。 10時30分からのパネル「総合書物学への挑戦」には、国文研から、陳さん、落合さん、入口さんが報告。国文研で、新しい学問領域を提唱しようとする共同研究の各代表者である。とりわけ入口さんの発表は、30万点の画像データを全部見るという前提での研究の可能性を探るもので、のレイアウトや、文化としての表記を、それこそ領域の垣根を超え、「書物」という1点の共通点を土台に、しかも現物ではなく画像データでできる研究を具体的に提案するもので、刺激的な発表だった。 落合さんの書誌学用語の再検

  • 可能性としての古典籍(初日): 忘却散人ブログ

    わすれもの、うせものがたえない毎日を送る忘却散人(飯倉洋一)のブログです。2008年3月スタート。日近世文学。 軽い読み物として、推敲もなしに書いていますので、学術論文などへの引用はお控えください(どうしてもという場合は、事前にコメント欄にでもご連絡下さい)。エッセイなどでの引用やSNSなどでのリンクはご自由にどうぞ。 国文学研究資料館の大型プロジェクトに関わる、初めての国際研究集会が、日と明日、国文研で開催されている。今日は、オープンサイエンスに関わる九州大学名誉教授有川節夫先生の基調講演と、古典籍データベースをめぐる4つの報告、およびパネリストの方々の討論があったが、想像以上に面白かった。 有川先生の「古典籍共同研究とオープンアクセス」の講演。ちらっと九州弁らしきことばが出てきたと思ったが(「~しきらん」)。 オープンサイエンス、シチズンサイエンスという概念で、古典籍データベースの

  • 「和本リテラシーニューズ」創刊: 忘却散人ブログ

    わすれもの、うせものがたえない毎日を送る忘却散人(飯倉洋一)のブログです。2008年3月スタート。日近世文学。 軽い読み物として、推敲もなしに書いていますので、学術論文などへの引用はお控えください(どうしてもという場合は、事前にコメント欄にでもご連絡下さい)。エッセイなどでの引用やSNSなどでのリンクはご自由にどうぞ。 日近世文学会編集の『和リテラシーニューズ』第1号が刊行される。日近世文学会では数年前から、和リテラシー普及活動にとりくんでいる。その一環として、このたびニューズレターを発刊した。 学会員には、近く『近世文藝』に同封して郵送される。無料配布物なので、買うことはできない。しかるべきところに配布されるが、興味のある方は、私か下記メンバーがいくらか配布分を持っているので聞いてみてください。 A5判、カラー全16頁。 表紙には、 「あらゆる領域のヒントが詰まっている古典籍(

  • 書物学 第4号: 忘却散人ブログ

    わすれもの、うせものがたえない毎日を送る忘却散人(飯倉洋一)のブログです。2008年3月スタート。日近世文学。 軽い読み物として、推敲もなしに書いていますので、学術論文などへの引用はお控えください(どうしてもという場合は、事前にコメント欄にでもご連絡下さい)。エッセイなどでの引用やSNSなどでのリンクはご自由にどうぞ。 毎号、読みどころ満載の『書物学』が第4号を刊行(勉誠出版、2015年2月)。 執筆者に知人が多いこともあって、楽しく読んでいる。 特集は「出版文化と江戸の教養」で、鈴木健一・川平敏文・佐藤至子各氏の鼎談である。 鈴木健一さんがホストで、近世前期の「教養」を川平さんが徒然草受容を視点として語り、近世後期の「教養」を佐藤さんが戯作を通して解説するという枠組み。川平さんの徒然草受容史の薀蓄はさすがであるが、注釈書の流れを、深化→集成→一般化→個性化と整理するのも大変わかりやすい

  • 国際シンポジウム「歴史的典籍画像の30万点Web公開と国際共同研究」: 忘却散人ブログ

    わすれもの、うせものがたえない毎日を送る忘却散人(飯倉洋一)のブログです。2008年3月スタート。日近世文学。 軽い読み物として、推敲もなしに書いていますので、学術論文などへの引用はお控えください(どうしてもという場合は、事前にコメント欄にでもご連絡下さい)。エッセイなどでの引用やSNSなどでのリンクはご自由にどうぞ。 〈日研究の新地平〉「歴史的典籍画像の30万点Web公開と国際共同研究」という国際シンポジウムを開催いたします。 国文学研究資料館では、『国書総目録』に掲載される約50万点の典籍のうち30万点の画像を公開するという、壮大なプロジェクトが始まっています。このプロジェクトは人文社会科学分野として初めての大規模学術フロンティア事業として位置づけられています。現在、国会図書館や早稲田大学を初めとして、古典籍の画像のWEB公開が進みつつありますが、国文研の計画はその総量が飛び抜けて

  • 世界の読者に伝えるということ: 忘却散人ブログ

    わすれもの、うせものがたえない毎日を送る忘却散人(飯倉洋一)のブログです。2008年3月スタート。日近世文学。 軽い読み物として、推敲もなしに書いていますので、学術論文などへの引用はお控えください(どうしてもという場合は、事前にコメント欄にでもご連絡下さい)。エッセイなどでの引用やSNSなどでのリンクはご自由にどうぞ。 河野至恩氏の『世界の読者に伝えるということ』(講談社現代新書、2014年3月)を、研究会の隣席にいた、若い友人に勧められたので、早速購入して読んだ。 作者は、あの「高校生クイズ選手権」で優勝、アメリカのボードウィン大学で物理学・宗教学を学びつつ、人文学にも関心をもち、大学院は、プリンストン大学で比較文学を学んだ。そこで日文学を学び、現在は上智大学准教授として、英語で日文学を教えているという方である。 こので、教えられたのは、現在世界で日文学がどのように研究されてい

  • リンボウ先生と古文真宝: 忘却散人ブログ

    わすれもの、うせものがたえない毎日を送る忘却散人(飯倉洋一)のブログです。2008年3月スタート。日近世文学。 軽い読み物として、推敲もなしに書いていますので、学術論文などへの引用はお控えください(どうしてもという場合は、事前にコメント欄にでもご連絡下さい)。エッセイなどでの引用やSNSなどでのリンクはご自由にどうぞ。 あけましておめでとうございます。 年末、近所の書店で、林望『増補書藪巡歴』(ちくま文庫、2014年12月)を発見しました。 即買。同書と『書誌学の回廊』の抄出を合わせたもの。 リンボウ先生のエッセイ中でも「別格」(紀田順一郎解説)なのが、書誌学に関するエッセイ。単行でよんでいたとはいえ、それが文庫化された(追記参照)のはめでたい。 書の内容をここでわざわざ解説するのは野暮というもの。読めばその面白さは誰もが感じるはず。 ひとつだけ紹介すると「赤木文庫主人」では、横山重

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    tsysoba 2015/01/04
    『増補書藪巡歴』(ちくま文庫)の後書きに『古文真宝』の諸本コレクションを国文学研究資料館に移譲した話が書かれていることが紹介されてる。
  • 新しい日本漢詩史へ: 忘却散人ブログ

    わすれもの、うせものがたえない毎日を送る忘却散人(飯倉洋一)のブログです。2008年3月スタート。日近世文学。 軽い読み物として、推敲もなしに書いていますので、学術論文などへの引用はお控えください(どうしてもという場合は、事前にコメント欄にでもご連絡下さい)。エッセイなどでの引用やSNSなどでのリンクはご自由にどうぞ。 9月初めの5日間、A国のH州H美術館でR.L文庫目録作成のための調査をさる科研チームで行った。L文庫は、膨大な数の絵画・絵のコレクションであるが、実はそこに、一定の量の「絵なし漢籍」がある。「絵なし漢籍」などというジャンルはもちろんないが、L文庫の中では、その分類が不自然さを感じさせない。今回宮崎修多氏をリーダーとする日漢学研究者3名が、その山を整理した。流石の手腕と目を見張った次第だが、その時、宮崎氏が韓国で行われた古文辞に関するシンポジウムの話を熱く語ってくれた。

  • 高橋昌彦著『廣瀬淡窓』: 忘却散人ブログ

    わすれもの、うせものがたえない毎日を送る忘却散人(飯倉洋一)のブログです。2008年3月スタート。日近世文学。 軽い読み物として、推敲もなしに書いていますので、学術論文などへの引用はお控えください(どうしてもという場合は、事前にコメント欄にでもご連絡下さい)。エッセイなどでの引用やSNSなどでのリンクはご自由にどうぞ。 大分県先哲叢書の1冊。2014年5月、大分県教育委員会。 豊後日田の咸宜園は、廣瀬淡窓が創設した私塾。日田という、西国九州の中央にあるような地でありながら、その卓越した教育システムが全国に轟き、淡窓一代で3000人の入門者を数えたという。 教育者廣瀬淡窓はまた、その漢詩でも知られる。書によれば1万首は作ったという。 書は、その教育システムについて丁寧に叙し、漢詩について詳細にその背景を含めて解説し、また淡窓の多くの著書について解題を付す。また『遠思楼詩抄』の出版につい

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    tsysoba 2014/06/22
    教育史と漢詩両方カバーしてるのか。しかも一般向けとか。気になる。
  • パリに眠る読本たち: 忘却散人ブログ

    わすれもの、うせものがたえない毎日を送る忘却散人(飯倉洋一)のブログです。2008年3月スタート。日近世文学。 軽い読み物として、推敲もなしに書いていますので、学術論文などへの引用はお控えください(どうしてもという場合は、事前にコメント欄にでもご連絡下さい)。エッセイなどでの引用やSNSなどでのリンクはご自由にどうぞ。 『読研究新集』第六号が刊行された。第3次『読研究』というべきもの。40代~50代の中堅が編集委員と事務局を担い、順調に世代継承が進んでいる印象である。読研究の分野は、若くて優秀な方も多くいて、今後とも期待がもてる。今号は、馬琴特集の観がある。藤沢毅氏の「馬琴研究の現在」も労作である。 私には、高木元氏のパリ・ギメ東洋美術館所蔵の読挿絵集についての報告(「江戸読の往方―巴里に眠る読たち―」)が興味深かった。江戸文芸研究がグローバル化に対応するには、読をはじめと

    tsysoba
    tsysoba 2014/06/22
    「江戸文芸研究がグローバル化に対応するには、読本をはじめとする江戸文芸が、海外の人たちにどのようにアピール可能かを模索する必要がある」という視点から在外古典籍の研究に注目。