日本の福祉施設は、内装が簡素であることが多い。それは内装への設備投資を省くほど、利益が残る構造だからだ。元ヤフー社員の佐藤典雅さんは、息子のGAKUさんが自閉症と診断されたことから、既存の施設に不満をもち、自ら福祉施設「アイム」を立ち上げた。どうやって「綺麗でオシャレな施設」を立ち上げたのか――。 楽しい場所だから、積極的に通いたくなる 9つのシャンデリアが天井からぶら下がり、壁際にはギターが立てかけられている。大きくカラフルなソファに座る男児の前で、別の男児が白いヘッドフォンを装着し、タブレットを操作している。 2月上旬に訪問した放課後デイ・エジソン高津(神奈川県川崎市)は、青、黄色、緑、オレンジ色などカラフルに彩られた内装が特徴だ。レーシングゲームを体験できる自動車を模したコックピットや、VR(仮想現実)の端末まである。その空間は、おおよそ福祉施設とは思えない。 利用者は知的障害や発達