現在の個人向け複合機/単機能プリンタは、ほとんどが染料インクを採用している。染料インクは、インクが紙の繊維に浸透する性質があり、専用光沢紙への写真印刷で見栄えのよい出力結果を得られるのが大きな理由だ。一方で、専用光沢紙のようにインクの吸着層を持たない普通紙に印刷すると、インクがにじんでしまい画質が低下するという短所がある。 これを低減するため、キヤノンや日本HPの複合機/単機能プリンタなどは、顔料の黒インクを搭載したモデルが多い。カラーインクは染料だが、黒インクを顔料を用いることで、普通紙における「黒い文字」の印刷品質を高めている。顔料インクは用紙の表面で固まって定着するため、用紙への染み込み(にじみ)が少ないのだ。その半面、表面が平滑な通常の光沢紙に印刷すると、インクが定着せず、はがれてしまうこともある。 ちなみに、写真印刷ならば染料インクのほうが高画質かというと、そうとは限らない。実際