セレッソ大阪(以下C大阪)は09年までJ1とJ2を行き来するようなチームだった。それが今や優勝争いの常連となり、今年のブラジルW杯の日本代表候補選手を多数輩出している。さらに昨シーズンの観客動員はリーグ1位。若い女性にも支持され「セレ女」なる言葉もできた。一体いつからこれほど強くなり、人気チームとなったのか。この疑問を解決すべく、2人のキーマン、梶野智とジルマール・ルイス・リナルジに話を聞いた。謎を解く鍵はブラジル路線の哲学にある。 梶野はヤンマーディーゼルサッカー部時代から含めて9年間C大阪でプレイし、99年コンサドーレ札幌で現役を引退。翌年からC大阪のフロントに入り、同クラブのサッカースクールの開発や経営などでビジネスを学び、07年には強化部長に就任。昨年末の退任まで7年間に渡ってチーム躍進の礎を築いた。 その梶野が絶対の信頼を置き、「尊敬する人。すべてにおいて師匠」と敬うのがジル