「(前略)私はこれまで、自分の職業は人に言いづらいものだから社会のはぐれ者なのだと思 っていた時期があります。でも店を続ける中で、私や私の店は明らかに社会の中にあると感じるようになりました。(中略)社会は、嫌でも逃れることができないものだとも感じました。(後略)」 これは、 持続化給付金および家賃支援給付金が性風俗事業者に支給されなかったことを受け、「憲法14条の平等権の侵害ではないか」と国を訴えた「セックスワークにも給付金訴訟」での原告の口頭弁論での言葉です。 裁判所で原告の口から口頭弁論を聞いたとき、もっとも印象的だったのはこの箇所でした。「はぐれ者だと思っていたが、明らかに社会の中にある」「嫌でも逃れることができないもの」という社会に対しての認識は、マイノリティーにとっての共通認識ではないでしょうか。 セックスワークについて考える際、当事者も含めて多くの人がその仕事を「社会の外にある