トマト銀行(岡山市北区番町)の従業員だった50代男性が、上司のパワーハラスメント(パワハラ)が原因で退職を余儀なくされたとして、同行と元上司3人に損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決で、広島高裁岡山支部は5日までに、110万円の支払いを命じた一審岡山地裁判決を変更、男性の請求を棄却した。 判決理由で片野悟好裁判長は「直属の部下への叱責(しっせき)として、社会的な許容範囲を超え、男性の人格や尊厳を侵害する違法性の強いものとまでは認められない」とした。 判決によると、男性は津山支店にいた2006年から07年にかけ、ミスをしたことで当時の支店長代理から「辞めてしまえ。あほじゃねんかな、もう普通じゃねえわ」などと叱責を受けた。男性は09年3月、抑うつ状態となり退職した。 一審判決では、上司の頻繁な叱責について「精神的にかなりの負担だった」とし、パワハラと認定していた。