出版状況クロニクル97(2016年5月1日〜5月31日) 16年4月の書籍雑誌の推定販売金額は1259億円で、前年比1.1%減 。 書籍は612億円で、同6.5%増、雑誌は647億円で、同7.4%減。 書籍の前年比増は、店頭売上は1%増であるけれど、石原慎太郎の『天才』(幻冬舎)60万部、『嫌われる勇気』(ダイヤモンド社)115万部、宮下奈都『羊と鋼の森』(文春)50万部などのヒットによるもので、それらが主たる要因である。しかしそれらは出回り部数、金額でもあり、その反動も留意しなければならない。 雑誌のうちの月刊誌は531億円で、同6.7%減、週刊誌は115億円で、10.5%減。書籍に比べ、雑誌は相変わらずの減が続いている。 返品率は書籍が34.1%、雑誌は42.6%。しかし2月に続いて4月も、書籍がヒット商品の貢献で返品率が改善されたこともあって、16年4月までの返品率が31.3%である