11月9 秦正樹『陰謀論』(中公新書) 9点 カテゴリ:政治・経済9点 ネットが普及して、あるいはSNSが普及して可視化されたことの1つが本書のテーマにもなっている「陰謀論」ではないでしょうか。 昔から「NASAは実はUFOと接触している」とか「M資金」とか陰謀論めいたことは語られてきたわけですが、SNSによって「ちゃんとしているはずの人」、例えば、大学の先生とか政治家が、陰謀論めいたことを発信したり紹介していることが可視化されました。 さらにトランプの扇動と「Qアノン」と呼ばれる陰謀論に乗せられる形で起こった2021年1月のアメリカ連邦議会襲撃事件は、陰謀論に人々を動かす力があることを見せつけました。 本書は、そうした陰謀論について、その内容を紹介するのではなく、「誰がどんな陰謀論を受け入れるのか?」ということを中心に実証的に論じています。 ただ、陰謀論について調べるには難しさもあります