12月1 渡辺努『世界インフレの謎』(講談社現代新書) 8点 カテゴリ:政治・経済8点 今年の1月に講談社選書メチエから出た『物価とは何か』は、今年の経済書の中でもトップクラスの面白さだったと思いますが、本書は同じ著者による新書になります。 最初は、「このくらいのスパンだと焼き直しにしかならないのでは?」と思ったのですが、読んでみたら面白いですね。ここ最近、世界的に起きているインフレの謎を中心に、欧米各国と日本の違い、どのような処方箋があり得るのか? など、『物価とは何か』よりもアクチュアルな問題が論じられていて、新たな発見があります。 『物価とは何か』を読んだ人でも十分に楽しめる本であり、ここ最近のインフレの問題を考える上で必読の本と言えます。 目次は以下の通り。第1章 なぜ世界はインフレになったのか――大きな誤解と2つの謎第2章 ウイルスはいかにして世界経済と経済学者を翻弄したか第3章