あいさつは言葉を省略してできている、と子どもの頃に教えられた。 おはよう、こんにちは、こんばんは。 おはやくお出かけですね、今日(こんにち)は暑いですね、今晩はお忙しくありませんか。 そういうのを思い出すと単純でものぐさの僕は、なんで定型句はこんなに便利なんだろう。ふだん意味なんて考えやしないけど、文明の利器だなあなんて簡単に思ってしまう。 だからその便利さにすこしだけ感謝して、ときどき思い出したようにあいさつに意味を込める。 おはよう。こんにちは。こんばんは。 おはやくから考えることがたくさんあるような顔をしてますね、今日はもう仕事をしたくないような良い天気ですね、今晩は飲み会なんてさっさと帰って疲れるくらいぐっすり寝てしまいましょうよ、だったり。 もちろん誰もきづかないけれど単純な僕は、そういうのおとなっぽいなあと考えたりする。