相対的に見てメディア接触時間におけるテレビの割合が減少している現代。広告売上に依拠した日本のテレビ局のビジネスモデルには変革が求められている。 テレビ広告の価値はバブル? この10年間、視聴率は下がり続けている。在京キー局5社の年度平均全日視聴率(朝6時から夜12時の間の平均視聴率)の合計は、6.4ポイント下がり、下落率は約17%に及ぶ。これは、キー局1局分の視聴率が吹き飛んだようなものだ(図1)。 あわせてテレビ広告費も下落した。特にリーマンショックの影響を受けた2009年には、キー局5社の地上波放送の広告収入である、「タイムCM収入」と「スポットCM収入」の合計が、2005年度のピーク時と比べて2000億円近く下がった。その金額もキー局1社の広告収入に匹敵する。 ところが、2009年以降も視聴率は下がっているのに、タイム+スポット収入はそこから徐々に盛り返し、2014年度まで増え続けて