マネジメントの原理・原則にはいろいろあるが、『埋没コストの原理』ほど、学ぶのは簡単ながら実践がむずかしいものはない。埋没コスト(Sunk cost)とは、すでに使ってしまったお金のことである。埋没費用とか埋没原価とも言う。使ってしまったお金はもう使ったのだから、それが幾らであったにせよ、現時点での意思決定がそれに左右されてはいけない。「意思決定は、今とこれから先の事象だけで考えるべきだ」、というのが『埋没コストの原理』である。とても単純だ。だが、人は“それまでの経緯”にひきずられて思考しがちだから、実際には難しい。 たとえば、こんな例を考えてみよう。ある女性が、8千円の演奏会のチケットを買っていたとしよう。なかなか高価だ。ところが、コンサート会場についてハンドバッグの中を見てみると、肝心のチケットがない。忘れたのかもしれず、無くしたのかもしれない。ともかく窓口にきいてみると、まだ8千円の席
![埋没コストの原理と、プロジェクト・ポートフォリオ・マネジメントのためのDIPP尺度 | タイム・コンサルタントの日誌から](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/29613ed48da703225b2d49a3c17fab182db792b8/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fpds.exblog.jp%2Flogo%2F1%2F200508%2F25%2F47%2Fe005844720050825233346.jpg)