アスクルの物流倉庫火災が、物流拠点の集約化を加速してきた物流業界に新たな課題を突きつけている。物流網に1カ所でもトラブルが起これば、企業の経営に大きな影響を与える事態が浮き彫りとなった。コストダウンの“集中”か、リスク回避のための“分散”か、ビジネスモデルの選択を迫られている。 「まさかあんなに燃えるとは」。鎮火までに12日間を要したアスクルの物流倉庫「ASKUL Logi PARK 首都圏」(ALP首都圏、埼玉県三芳町)の火災は、物流関係者やメーカーに大きな衝撃を与えた。 物流業界関係者は「物流戦略を見直す教訓となった」と話す。コーセーは「物流倉庫の(集中と分散の)バランスを見直した方がよい。国内に4カ所の大型物流拠点があるが、拠点増設に向けたコスト試算を始めた」(新本浩一執行役員)と対策に動く。 アマゾンや楽天などは自社で製品を買い取らず、配送もメーカーなどに委託するマーケットプ