トランプ大統領による米軍のシリア撤退発表は、米政府高官らも驚く突然の決定だった。その背景には、シリアをめぐって「大統領とエルドアン・トルコ大統領の思惑の一致」(ベイルート筋)という“裏取引”が浮かび上がってくる。マティス国防長官はトランプ氏に撤退を思いとどまらせようと最後の説得を試みたが失敗、抗議の辞任に踏み切った。長官の辞任は来年2月の予定。 反対押し切り独断で決定 撤退の発表は唐突にツイッターで行うというまさに「トランプ流」だった。トランプ大統領は12月19日のツイッターで「イスラム国(IS)に歴史的な勝利を収めた。いまこそ米国の若者たちを帰国させる時だ」と宣言。この発表は米政府だけではなく、シリアに関与してきた中東各国やロシア、イラン、そして米国と組んでISを壊滅させた有志連合諸国を驚がくさせた。 とりわけ、米国の求めに応じてIS壊滅に多くの血を流してきたシリアのクルド人の衝撃は大き