2017年、「クフ王のピラミッド」の内部構造を素粒子ミューオンによって画像観測したというニュースが話題になりましたが、進歩した科学技術は、いまや考古学の分野にまでおよんでいます。一方、従来の歴史学では、科学や物理に明らかに反しているにもかかわらず、「結論」や「通説」としてまかり通っているものが少なからずあると話すのが三井造船で船の設計にかかわり、東海大学海洋工学部で非常勤講師を務めた播田安弘さんです。特に播田さんにとって、1582年の「本能寺の変」の直後、驚異的なスピードで豊臣秀吉が京都へ戻った、いわゆる「中国大返し」については思うところが多いそうで――。 京都までどのようにして引き返すか ここで、6月3日の夜に戻り、備中高松で本能寺の変の急報に接した秀吉の立場になって、私たちなら京都までどのようにして引き返すかを考えてみましょう。 具体的には、陸路か海路かの二者択一です。黒田官兵衛のよう