政府はこの9月、新しい少子化対策を取りまとめた。「少子化対策プラスワン―少子化対策の一層の充実に関する提案―」である。この1月公表の「日本の将来推計人口(平成14年1月推計)」で新しい傾向が現れた。「従来、少子化の主たる要因であった晩婚化に加え、『夫婦の出生力そのものの低下』という新しい現象が見られ、現状のままでは、少子化は今後一層進展すると予測される」「急速な少子化の進行は、今後、社会保障をはじめとして、我が国の社会経済全体にこれまで予測した以上に急速な構造的変化をもたらしていくことが予想され」「従来の取組に加え、もう一段の少子化対策(「少子化対策プラスワン」)を講じていく必要がある」とする。しかし、子育て支援へ傾斜していく姿勢ばかりが目立ち、どんどん的を外しているとしか思えない。私の連載での蓄積をベースに見直してみたい。 ◆非婚化対策より子育て誘導は簡単か 従来説の「晩婚化」は、現在に