印刷、電波、ネットの三つの技術を比較すると、最も装置産業的なのが電波であり、その次が印刷、ネットが最後になる。つまり、 A: 電波 B: 印刷 C: ネット という順で、上の方が集中して大規模化することが技術的に意味があり、その分だけ、少数の人間が管理する時に有利になるメディアだ。 だから、A→B→Cの順かその反対の順番で技術が発展したなら、歴史も連続的に推移しただろう。メディアによる情報の管理は政治にとって重要な課題だが、それが一方的に難しくなる方向か、一方的に楽になる方向に技術が発展していたとしたら、もう少し時代の流れがスムーズでわかりやすくなっていたと思われる。 しかし、我々が歩んできた実際の歴史の中で、メディア技術はB→A→Cという順に発展した。印刷以前→B:印刷→A:電波という移行までは段階的に集中に向かい、C:ネットに移るタイミングで、突然、分散の方向へと時代が方向転換した。