永野潤(id:sarutora ou id:zarutora)さんはみずからのはてなダイアリーで、さかんに「サルトルフォビア」(サルトル嫌悪)が日本のアカデミズムで蔓延しているのを指摘している*1。そこでおよばずながら、援護射撃に出たくなった。 なお構造主義やポスト構造主義の思想家で、オレがまともに読んだことがあるのはロラン・バルトだけである。そこで以下はバルトに焦点を当てて話を進める。いまではバルトはサルトルの失墜に一役を買った思想家のひとりだとされている。サルトルが世を去ったときに「朝日新聞」に掲載された記事も、そのように書かれていた。 しかしトリッキーな仕掛けをほどこした自叙伝"Roland Barthes par Roland Barthes"(ed.seuil,1975)には、「私が好きなものと好きではないもの」(J'aime, Je n'aime pas)を列挙した断章があり、
![pêle-mêle - サルトルは終わっていないよ](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/06a15c64ba0ceec233d86d71001ebb29a9dcbf5d/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fcdn.blog.st-hatena.com%2Fimages%2Ftheme%2Fog-image-1500.png)