家庭教育は子育ての基本のキだ。ところが、都市化や核家族化などによって親たちが身近な人から子育てを学ぶ機会が減っている。そこで国や自治体が責任を持って家庭教育を支援する。そんな趣旨の「家庭教育支援法案」が来年の通常国会に提出される見通しだ。家庭教育を支える環境は悪化している。同法制定は喫緊の課題だ。 来年の通常国会に提出 教育は学校で突然に始まるわけではない。その出発点となるのが家庭だ。「三つ子の魂百まで」と言われるように学校以前の幼少期に人格の基礎が形成される。学校教育の成果を挙げるには、家庭が健全育成の基盤となっている必要がある。 ここから家庭教育の重要性が知れる。世界人権宣言は「家庭は、社会の自然かつ基礎的な集団単位であって、社会及び国の保護を受ける権利を有する」(16条3項)としている。家庭が人の命と心を育み「個の尊厳」の基礎になるからだ。 国際人権規約も「できる限り広範な保護及び援